菅直人首相が打診した連立政権への参加を、たちあがれ日本が正式に見送る方針を決定したことで、政府与党との連携に踏み切る野党勢力は皆無となった。確たる方針も見込みもないまま、思いつきのように、次々に連携を持ちかける闇(やみ)雲(くも)な「戦略性のなさ」が招いた結果ともいえる。ねじれ国会を乗り切るための有効な「一手」は見あたらず、来年1月の通常国会召集を目前に控え、菅政権は末期的状態に陥っている。
「社民党に声をかけ、たちあがれに声をかけるというのは、精神錯乱というか、何を考えているのか。数さえあえばいいという、かなり末期的な状況だ」
たちあがれへの連立打診について聞かれた自民党の石破茂政調会長は27日の記者会見で、うんざりした表情で批判した。改憲をかかげるたちあがれと、護憲の社民党に時間をあけずに声をかければ双方から不審がられるのは当然だからだ。
だが、たちあがれに連立を打診していたことが明らかになった24日夜も、政府高官は慌てるどころか「世の中なるようにしかならないから。あまり心配してくれなくていい」と言い放っていた。26日もたちあがれが連立に参加することを念頭に「乗り遅れまいとする心理が(野党各党に)生まれる。ひょうたんから駒ということもある」との見通しを示していた。
こうした見通しの甘さが見透かされてか、たちあがれは「民主党政権を円滑に運営するための補完勢力にされる」(平沼赳夫たちあがれ日本代表)と拒否に転じた。
首相らの連立工作はこのパターンで失敗を続けてきている。臨時国会中は、参院でのねじれを一気に解消できるとみて、公明党への働きかけを重ねたが、政治とカネをめぐる問題や世論の反応を重視する公明党の党風を読み切れず破談。
次に社民党との再連立で衆院再可決に必要な3分の2以上の議席を確保しようとしたが、米軍普天間飛行場問題での確執は埋めがたく暗礁に。その間も、首相は新党改革の舛添要一代表に協力を呼びかけたり、「首相側の要請」(民主党幹部)を受けたとされる渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長が自民党の谷垣禎一総裁に2年限定の大連立を持ちかけるなど、めまぐるしく動いている。だが、軒並み失敗に終わった。
野党幹部が11月下旬、首相から連立を持ちかけられ「連立して何をやりたいのか、消費税問題か」と確認を求めると、首相は「あれだけ批判を浴びたのでちょっと…」と言葉を濁したという。幹部はこの瞬間、「これは政策も展望も何もない数合わせだ。菅首相とは話はできない」と見限ることを決めたと話す。
首相は20日、衆院政治倫理審査会への出席を求めるため小沢一郎元代表を首相官邸に呼んださい、「政倫審に出れば(国会運営は)建設的な話になるのか」と尋ねる小沢氏に「その保証はない」と繰り返し、小沢氏をあきれはてさせた。民主党のベテラン議員は「見通し、根回し、段取り。まったくナシの政権だ」とため息をついた。
「社民党に声をかけ、たちあがれに声をかけるというのは、精神錯乱というか、何を考えているのか。数さえあえばいいという、かなり末期的な状況だ」
たちあがれへの連立打診について聞かれた自民党の石破茂政調会長は27日の記者会見で、うんざりした表情で批判した。改憲をかかげるたちあがれと、護憲の社民党に時間をあけずに声をかければ双方から不審がられるのは当然だからだ。
だが、たちあがれに連立を打診していたことが明らかになった24日夜も、政府高官は慌てるどころか「世の中なるようにしかならないから。あまり心配してくれなくていい」と言い放っていた。26日もたちあがれが連立に参加することを念頭に「乗り遅れまいとする心理が(野党各党に)生まれる。ひょうたんから駒ということもある」との見通しを示していた。
こうした見通しの甘さが見透かされてか、たちあがれは「民主党政権を円滑に運営するための補完勢力にされる」(平沼赳夫たちあがれ日本代表)と拒否に転じた。
首相らの連立工作はこのパターンで失敗を続けてきている。臨時国会中は、参院でのねじれを一気に解消できるとみて、公明党への働きかけを重ねたが、政治とカネをめぐる問題や世論の反応を重視する公明党の党風を読み切れず破談。
次に社民党との再連立で衆院再可決に必要な3分の2以上の議席を確保しようとしたが、米軍普天間飛行場問題での確執は埋めがたく暗礁に。その間も、首相は新党改革の舛添要一代表に協力を呼びかけたり、「首相側の要請」(民主党幹部)を受けたとされる渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長が自民党の谷垣禎一総裁に2年限定の大連立を持ちかけるなど、めまぐるしく動いている。だが、軒並み失敗に終わった。
野党幹部が11月下旬、首相から連立を持ちかけられ「連立して何をやりたいのか、消費税問題か」と確認を求めると、首相は「あれだけ批判を浴びたのでちょっと…」と言葉を濁したという。幹部はこの瞬間、「これは政策も展望も何もない数合わせだ。菅首相とは話はできない」と見限ることを決めたと話す。
首相は20日、衆院政治倫理審査会への出席を求めるため小沢一郎元代表を首相官邸に呼んださい、「政倫審に出れば(国会運営は)建設的な話になるのか」と尋ねる小沢氏に「その保証はない」と繰り返し、小沢氏をあきれはてさせた。民主党のベテラン議員は「見通し、根回し、段取り。まったくナシの政権だ」とため息をついた。
沈みかかった船にわざわざ乗り込む者はいない。そのことを分かっていないのだろうか。自分たちが権力志向だからと言って権力をちらつかせれば誰もなびくと思うのはあまりにも単純極まりない思考だろう。支持率は下がりっぱなしで回復の目途はない。
唯一、政権を取らせてくれた小沢を切ればと躍起になるが、こうなってはそれも滑稽な猿芝居のようだ。票になりそうな政策に埋蔵金をさらってばら撒いた財政崩壊予算も全く支持されない。普天間の辺野古移転は米国から沖縄負担軽減策の凍結を突き付けられて暗礁に乗り上げた。中国は東シナ海を東進してくるが、その対策は何もない。経済への対策もこれといったものが打ち出せず、財政措置も取らずに企業減税を打ち出しても、企業は雇用増大には消極的で雇用拡大の目途も立たない。年明けの通常国会は全く目途は立たない。
野党時代に何も勉強して来なかったつけがここに来て噴出した格好だ。素人総理、素人閣僚、なくないの意見統一さえできない状況で国のかじ取りなんてよくもそんな大それたことを考えたものだ。国が崩壊を始める前に一度政権を返上して、もう一度勉強し直してから出直して来るべきだろう。
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