中国漁船衝突事件のビデオ映像流出に絡む海上保安庁職員の大量処分を受け、野党各党は22日、仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相の政治責任は免れないと重ねて強調した。野党は両氏に対する問責決議可決を踏まえ、次期通常国会でも辞任要求を一段と強める方針だ。
自民党の石破茂政調会長は取材に対し、「行政官や海上保安官たちだけに責任を負わせ、自分たちはのうのうとしていることは厳しく断罪されるべきだ」と批判。公明党の山口那津男代表も「政治判断の責任が取られていないので、問責決議の重要性が増すのではないか」と強調した。
みんなの党の渡辺喜美代表は記者会見で「問責決議を受けている馬淵氏が辞めないで、部下を処分するなど言語道断だ」と批判。「尖閣事件(の処理)を主導した仙谷氏がその職責にとどまり続ける方がはるかに問題だ」と断じた。
確かに現場部門だけが処分されてトップの政治職が何ら処分を受けないというのは身内に甘いと言われても仕方がないだろう。あの、「政治職と強大な権限を持つ執行職では自ずから責任の重さが違う」という迷言を地で行ったようだ。しかし、権限を持っているというのなら「政治主導」を唱える政治職の皆様の方がより重い責任を負うのではないだろうか。言いたいことを言ってやりたいことをやって責任を取らない政治職の下では現場も今一つ士気が上がらないのではないだろうか。