菅直人首相(民主党代表)と小沢一郎元代表の“激突”に発展した党内抗争の陰で、来年の通常国会をめぐる民主党の基本戦略が揺らぎ始めている。参院で否決された法案を衆院で再可決できる憲法59条の「3分の2」条項の適用に赤信号がともっているのだ。民主党は21日、名古屋市長選に現職衆院議員を推薦することを了承、虎の子の1議席を自ら手放した。小沢氏の国会招致問題では、離党勧告も視野に入れる執行部。小沢氏が本当に離党の決意を固めれば…。

 ■「悪いやつを懲らしめるのは当然だ」
 21日午後、党本部で開かれた常任幹事会は、約1時間15分の議論のほとんどを「小沢問題」に費やした。「悪いやつを懲らしめるのは当然だ」「平成の黄門様」を自任する渡部恒三元衆院副議長が何げなく言ったひと言に小沢氏を支持する川内博史衆院議員がかみついた。
 「悪いやつとは誰のことですか?民主党は小沢さんをそう認定するんですか?」
 川内氏は「挙党態勢をつくるべきだ」と主張した。すると岡田克也幹事長が反論した。
 「挙党一致を乱しているのは、最高指揮官の菅首相の言うことを聞かない小沢さんだ」
 岡田氏はこの後、官邸で首相と対応を協議した。
 
 大荒れとなった常任幹事会だが、名古屋市長選(来年2月6日投開票)の対応では、石田芳弘衆院議員の推薦が異議なく了承された。ただ、この推薦は大きな意味を含んでいる。「国会情勢を考えれば、議席を失うことは歓迎すべきことではないが、例外中の例外として推薦する」岡田氏は常任幹事会で石田氏の推薦についてこう説明した。

 現在の衆院の議席数は議長と欠員1を除くと478議席。再可決には319議席以上の賛成が必要だ。民主党は現在305議席あり、国民新党の3議席と新党日本の1議席を合わせ、与党で309議席を確保している。これに社民党の6議席と与党系無所属の4議席で、ギリギリ319議席を達成できる。石田氏は21日夕、名古屋市内で出馬表明した。近く自ら議員辞職するか市長選の告示時点で自動失職となる。ここで民主党の「3分の2」戦略は遠のく。

 加えて、執行部は小沢氏への離党勧告も視野に入れている。小沢氏が離党すれば「20~30人はついてくる」(側近議員)とされる。こうなると、衆院で3分の2以上の確保は事実上、不可能だ。党執行部は「脱小沢色」を鮮明にすることで支持率アップを図り、衆院で21議席を持つ公明党との連携に望みをつなぐ戦略を練っている。しかし、公明党幹部は「内閣支持率が持ち直すことは絶対にない。来春の統一地方選に向け菅内閣とは全面対決だ」と、現政権への嫌悪感を隠さない。

 連立パートナーの国民新党の下地幹郎幹事長は21日、記者団にこう嘆いた。
 「仲良くしてくれ。3分の2がなくなったら正直、連立を組む意味がない」
 
元々、火と水、水と油の全く性質の違う2グループが、一方は政権欲しさに、もう一方は自民党憎しで合流したものだから、目的を達すれば同じ道を歩いて行けるはずもない。袂を分かつのは当然の成り行きだろう。政権を取ったのだし、自民党にも一矢報いたのだからもうこの辺で退場してくれないと、この先日本は大変なことになる。バブル崩壊後の失われた10年どころの騒ぎではなくなる。
 
菅総理は政策を実行することで連戦連勝を成し遂げたいなどというが、その連戦連勝が日本に深い痛手を負わせることになる。それが日本にとって致命傷にならないうちに退場して欲しい。
 
小沢氏も政権交代の立役者だったものが、2回も政権の支持率回復のダシに使われ、3匹目のドジョウにされようとしている。ここまでコケにされてさらに民主党にとどまる理由はないだろう。
 
もう政権を操る目はないのだから、ここは一つ政治家としての最後のご奉公として日本をまともな軌道に戻してほしいものだ。もしも、政治家としての良心少しでも残っているのなら是非やっていただきたい。
 
日本ブログ村へ(↓)