6月に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルから、最大で直径0.1ミリの微粒子が新たに数百個見つかった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が29日発表した。発見済みの微粒子に比べ、直径で10倍、体積で約1000倍大きい。100個以上が小惑星「イトカワ」の物質の可能性があるという。宇宙誕生の謎に迫る今後の分析作業が格段に早まると期待される。
 
JAXAは11月16日、光学顕微鏡で見えない直径0.01ミリ以下の微粒子約1500個をイトカワ表面の物質と発表した。人類が直接小惑星から採取した初の成果となった。その後、微粒子が入っていた円筒容器(直径約5センチ、長さ約6センチ)を下向きにし横から工具で軽く数回たたくと、下に置いたガラス皿に直径0.1~0.01ミリの顕微鏡で見える粒子が数百個落ちてきたという。

粒が大きいほど調べやすいため、12月中に電子顕微鏡でイトカワ由来かどうかを判別後、発表済みの微粒子より先に詳細に分析する。これまでの経験からアルミ片以外はイトカワの物質の可能性が高いとみられる。今回の発見について向井利典JAXA技術参与は「コンコンとたたき、何とも原始的な方法だが『何もない』という先入観で今までやらなかった」と説明した。
 
このところ、愚かしい政治向きの話や紛争などのきな臭い話ばかりだったが、これはかなりほのぼのとした明るい話題だろう。世紀の壮挙である「はやぶさ」の成功にさらにおまけがついた。最先端の技術で小惑星を往復したはやぶさが持ち帰った容器を叩いてみたら、さらに粒子が零れ落ちてきたとは。最先端技術も最後は原始的な方法でさらに発見を重ねたというところが、何とも微笑ましいじゃないか。
 
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