産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が20、21の両日行った合同世論調査で、今の首相にふさわしい政治家は誰かを聞いたところ、民主党の小沢一郎元代表が8・6%でトップになった。内閣支持率の急降下で菅直人首相の交代の可能性もささやかれるようになった民主党だが、「ポスト菅」の有力候補とされる前原誠司外相と岡田克也幹事長は順位と数字を下げた。手持ちの首相カードも色あせ、「政治とカネ」の問題で裁判を控える小沢氏がトップとなるところが、いまの民主党の窮地を象徴している。

 調査では、民主党の有力政治家の勢いが減速したことが顕著になった。首相に「ふさわしい人はいない」も6・3ポイント増の33・3%にのぼった。小沢氏は前回5位(6・1%)から2・5ポイント増で首位へ。前回2位(8・9%)の菅首相は今回4位(6・6%)へ後退。前回唯一2ケタのトップ(10・2%)だった前原氏は2位(7%)。岡田氏は前回3位(6・8%)から7位(5・4%)へ転落した。調査結果に対して、小沢氏グループからは「決断力と指導力がある小沢さんに期待が集まっている」(一新会幹部)と歓迎する声が相次いだ。

 「すばらしい。いつかこういう日が来ると思っていた。菅政権はダメだよ。だから代表選で小沢さんがいいと言ったのに…」小沢氏に近い政務三役の一人もこう語った。一方、菅首相支持勢力は驚きを隠せない。「反小沢」の急先鋒(せんぽう)の牧野聖修前国対委員長代理は22日、記者団に「小沢さんが1番というのは国民が今の民主党をちゃかしている結果だ。小沢総理なんてあり得ない。国家がつぶれます」と、拒否反応を示した。

 もっとも、小沢氏も2ケタの数字はとれなかった。小沢氏周辺は「裁判を控える身として党代表や首相の座をねらうことは難しい」ともらす。「へえー」、22日、調査結果を知った小沢氏はこう言っただけで、淡々とした様子だったという。民主党ではこれまで、岡田、前原両氏を「ポスト菅」の二枚看板として位置づけてきた。しかし、岡田氏は小沢氏の国会招致がなかなか実現しないことで批判を浴びている。前原氏は対中、対露外交での行き詰まりや、「暴力装置」発言の仙谷氏をかばっていることでイメージが落ちているようだ。顔のすげ替えでは、民主党政権の今の苦境はしのげないのでは、との声も党内からは出るようになった。

民主党政権の混迷は、選挙結果にも影響を及ぼしている。21日投開票の千葉県松戸市議選(定数44)の結果が、民主党に衝撃を与えた。民主党候補11人のうち9人が落選し、うち6人がワースト10に名を連ねたのだ。
 「やってられない」、首都圏選出の民主党若手議員は悲痛な声をあげた。
 
開かれたきれいな政治改革を掲げた民主党もとどのつまりは自民党の中核から生まれた小沢頼みか。大体、民主党の中核はどれもこれも一度滑ったのばかりだろう。自民党も人材難だが、民主党は鳩と菅がこければ、残りは岡田と前原、そして原口、そんなものか。おっと、巨匠仙谷様にセンターフォールド蓮舫女史が残っていたか。それにしても人材不足も相当にひどいようだ。
 
しかし、小沢の政治手法はもう過去のものだろう。これからの時代にはそぐわない。確かに政治的能力はあるんだろうが、密室政治を金で動かすのはとうに葬り去られた政治手法でそんなものを今さら復活させても目先は良いのかも知れないが、少しばかり長い目で見れば決して日本のためにはならない。もっと正面から自分の政治的主張を表明して積極的に政策を実行してく国際感覚と経済感覚、そして強かで柔軟な思考を備えた政治家でないとこの先長くはもたないだろう。
 
この国の国民は超他力本願だから、厳しい状況になるとより実行力のある強い政治家を待望するようだが、小沢の強さはちょっと違うような気がする。彼の強さというのは権力の中心にいて人と金を握って得られる強さでしなやかで強かな強さとは違うのではないだろうか。逆境には意外に弱そうな気もする。まあ、菅様も「石にかじりついても頑張る」と政権に執念を見せているが、支持率はもう危険水準に近いし、この先起死回生の政策を打てるとも思えない。
 
また、自民党が政権を取り返しても谷垣では線が細い。石破、石原、小池、その他に人がいるだろうか。長期にわたって政権を担当してきたノウハウがあるので、まだ、もう少しはましな政治をやるだろうが、多かれ少なかれというところだろう。日本はかなり崖っぷちまで来ているが、まだまだ世界有数の大国で国内事情も安定している。やり様によっては復活も十分に可能だろう。ただ、それは指導者如何にかかっていると言っても良いだろう。英雄待望ではないが、力量のある政治家が出てこないとこの国は没落・亡国の道をゆっくりと下って行くのだろう。
 
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