武器輸出を事実上全面禁止している「武器輸出三原則」見直しをめぐり、政府が、米英などの北大西洋条約機構(NATO)加盟国や韓国、オーストラリアの計19カ国を対象に、戦闘機などの共同開発を可能にする緩和案を検討していることが12日、分かった。共同開発国に関する新基準も策定する方針。年末の「防衛計画の大綱」改定に合わせ、緩和策を公表する方向で調整している。
 
複数の政府筋が明らかにした。安全保障だけでなく経済的にも大きなメリットが期待されるが、菅直人首相は三原則について「基本的考えを変えるつもりはない」と述べており、与党内の反発も予想される。共同開発の対象国は、ミサイル拡散防止のため部品・技術の輸出を規制する「ミサイル技術管理レジーム」など、国際輸出管理に関する4つの枠組みすべてに参加する国に限定する。

この条件を満たす国は現在26カ国あり、いずれも輸出管理が適正な「ホワイト国」と認定されているが政府はまず経済的・地域的に結びつきが強いNATO加盟国中17カ国と韓、豪の計19カ国を対象にする方針。冷戦後にNATOに加盟した旧東欧諸国のうち非ホワイト国は対象外とする。

これまでは三原則により、兵器に転用可能な物品輸出も禁じられており、最新鋭戦闘機「F35ライトニング2」の共同開発にも参加できなかった。日米で共同開発しているミサイル防衛(MD)の海上配備型迎撃ミサイル「SM3」の将来型を第三国に供与することもできず、三原則の存在は日米同盟の大きな障害となっていた。

一方、国際平和協力活動で派遣された自衛隊の重機などの現地供与も三原則の例外とする見通し。政情不安な国も多いため、供与の是非を検討する仕組みを設ける方向で調整している。
 
これで少し兵器開発の自由度が広がっただろうか。また、陸海空の主な装備品に拡大して適用されれば、開発費も節約出来て調達価格も下がるだろう。しかし、日本の兵器はかなり特殊な部分があるようだからすべてに適用というわけにもいかないだろう。
 
当面は共同開発しないと政治的に、あるいは導入に問題が生じるSM3やF-35の開発調達辺りが対象だろうか。小型小規模なものを除いて、米国を外して日本が第3国と兵器の開発を行うというのも難しそうだし、販路などの問題もあるだろう。今後、すべての装備品に広がるのは相当にハードルが高いかも知れない。
 
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