自民党の小池百合子総務会長と石破茂政調会長は11日午前の党外交・防衛・国土交通の合同部会で、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐるビデオ映像流出事件の監督責任は免れないとして馬淵澄夫国土交通相の辞任を求めた。小池氏は「取るべき責任は政治が取らなければならない。海上保安庁の責任者である馬淵氏が自ら手を挙げて辞めるべきだ」と発言。
石破氏は、政府・民主党が馬淵氏の責任を問わない姿勢を示していることに「海保の鈴木久泰長官が辞めて終わりなんておかしい。卑怯だ。組織の長は部下に責任を負わせてはいけない。この内閣は政治が責任を負わない」と述べた。小池氏はまた「迅速に政治がけじめをつけないと、情報管理に日本は甘いというメッセージを送る」と指摘。10日に菅直人首相が首相官邸に各府省の事務次官らを集めて情報管理の徹底を指示したことにも「あほだと思う。事務次官会議はやめたのではないか。ちぐはぐで滑稽な出来事だった」と痛烈に批判した。
自民党の安倍晋三元首相は11日配信のメールマガジンで、中国漁船衝突ビデオを流出させたと名乗り出た海上保安官について「日本の正統性を国民と世界に示した」とたたえた。一方で、映像を非公開とする判断を主導した仙谷由人官房長官に言及し「ひざを屈して日中首脳会談をやりたがる男と、どちらが愛国者か答えは明らかだ」と批判した。安倍氏はまた、「保安官を逮捕するのはおかしくないかと友人から問われたが、その通りだ」とも指摘した。
「(閣僚という)政治職と(海保長官という)執行職では責任のあり方は違う」というこの考え方が一体どこから出てくるのだろう。閣僚は各行政官庁のトップで大きな権力を有しているのに身が危なくなると現場に責任を押し付けるのか。これを卑怯と言わずに何を卑怯と言うのか。現場で身をさらして国益を守ろうとしている部下に「死んでこい」と命じておいて、火の粉がかかると、「僕は政治職で執行権がないから知ぃらない。」とそっぽを向くのか。何とも情けない指揮官だ。
「男は、行けば死ぬと分かっていても行かなければいけない時がある。戦えば負けると分かっていても戦わなければいけない時がある」そう言って死んで行った先達の犠牲の上に今の日本がある。あの世でそうした人たちと一体どの面を下げて顔を合わせるのか。
特攻隊を創設した大西瀧治郎海軍中将は終戦後に切腹し、「生き残るようにしてくれるな」と医者の手当てを受けることを拒み、特攻隊員にわびるために夜半から未明にかけて半日以上苦しんで死んだという。死ぬことばかりが国のためではないし、責任の取り方でもないが、取るべき責任を逃れようとするのは卑怯以外の何ものでもない。そんな人間にこの国の舵を取ってもらいたくない。
今の民主党は責任に極めて甘いのではないか。鳩以外に辞任した政治家は一人もいない。何があっても言を弄してのらりくらりと逃げまくる。また、メディアもあまりそのことを追及しないのはどうしたことか。自民党の時は何かあれば大臣の首を取るまで騒ぎまくったあのメディアが。それとも麻生内閣をこき下ろし続けて政権交代を果たさせたのは、民主党でも有権者でもなく、自分たちメディアだと秘かに矜持を誇っているのだろうか。
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