「有言実行内閣」はどこへ行った-。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP=トランス・パシフィック・パートナーシップ)の基本方針は「参加を目指す」との表記さえ見送られた。所信表明演説で唐突にTPP参加をぶち上げた菅直人首相だったが、「新農水族」の抵抗であっさり腰砕けに。折衝の経緯を検証すると、与党内のパワーゲームにばかり心を砕く閣僚の姿と、首相の指導力の欠如ばかりが浮かび上がる。
3日夜、東京・紀尾井町の「ホテルニューオータニ」の一室。ひそかに集まったTPP関係閣僚らは政府の基本方針をめぐり、本音をぶつけあった。前原誠司外相「『参加を前提』という案では国民新党はのめないのか」
玄葉光一郎国家戦略担当相「ダメでしょう…」
前原氏「『前提』にしないと関係国との協議にならないじゃないか!」
どういう文言にすれば与党は理解してくれるのか-。パズルを解くような「言葉選び」が延々と続く中、民主党を代表して出席していた山口壮党政調筆頭副会長が口をはさんだ。「参加をにじませるだけで反対派はアウトですよ」 このひと言で前原案は吹き飛んだ。さらに与党との調整を担ってきた玄葉氏がダメ押しした。
「そうしないと政局になる!」
閣僚らは国の将来より、いかに政局を回避するかに腐心していたのだ。それでも慎重派の抵抗は続いた。翌4日、民主、国民新両党有志の「TPPを慎重に考える会」(会長・山田正彦前農水相)には約80人が出席し、「事前交渉への参加を表明することに反対する」との緊急決議を採択。6日夜の閣僚委員会が決めた基本方針はこうした声に押され、3日の原案をさらに後退させ、「交渉参加」の文言は消えた。
TPP参加は菅政権の大きな「足跡」となりえる政治決断だった。それだけに首相は10月1日の所信表明演説で「TPPへの参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指す」と宣言。その後も「農業の活性化と国を開くことの両立だ」と繰り返してきた。首相の意欲を受け、経済界などTPP推進派は勢いづいたが、反対派の圧力が強まるにつれ、閣内の足並みは乱れていった。
「旗振り役」だった大畠章宏経済産業相は10月26日の記者会見で「(TPP参加検討は)非常に大変だ」と慎重姿勢に転じた。与党との調整に自信を見せていた玄葉氏も5日には「ストレートに交渉入りを言うのはどうかという思いを実は最初から持っていた」と白旗を上げた。ところが、一連の基本方針の策定過程で首相が指導力を発揮した形跡はない。
首相は5日夕、閣内一の慎重派である鹿野道彦農水相を官邸に呼んだが、TPPへの参加意思さえはっきりしない基本方針案をあっさりのんでしまった。6日夜の閣僚委後、記者団にコメントを求められた前原氏は「いや、結構です。これから進めますよ」と不満をにじませ、鹿野氏は「どうするか決めたわけではありません」。閣内に不協和音は残った。首相は記者団へのぶら下がり取材をキャンセルし、閣僚委で発言しただけ。有言実行内閣は語るべき言葉さえも失ってしまった。
まあ、こんなものだろう。元々、民主党は権力を握ることにしか興味を示していないのだから困難を克服して政策を実行するなどということを期待すること自体が無理無駄ということだ。2009年の選挙でも素人が考えても、「そりゃ、無理・無駄じゃないの」というばら撒き政策ばかりを掲げて、その政策さえ実行に四苦八苦している。予算の付け替えで金が出るなどと、そんなことで金が確保できるなら自民党政権だってばかじゃないのだからとっくにやっているだろう。
3日夜、東京・紀尾井町の「ホテルニューオータニ」の一室。ひそかに集まったTPP関係閣僚らは政府の基本方針をめぐり、本音をぶつけあった。前原誠司外相「『参加を前提』という案では国民新党はのめないのか」
玄葉光一郎国家戦略担当相「ダメでしょう…」
前原氏「『前提』にしないと関係国との協議にならないじゃないか!」
どういう文言にすれば与党は理解してくれるのか-。パズルを解くような「言葉選び」が延々と続く中、民主党を代表して出席していた山口壮党政調筆頭副会長が口をはさんだ。「参加をにじませるだけで反対派はアウトですよ」 このひと言で前原案は吹き飛んだ。さらに与党との調整を担ってきた玄葉氏がダメ押しした。
「そうしないと政局になる!」
閣僚らは国の将来より、いかに政局を回避するかに腐心していたのだ。それでも慎重派の抵抗は続いた。翌4日、民主、国民新両党有志の「TPPを慎重に考える会」(会長・山田正彦前農水相)には約80人が出席し、「事前交渉への参加を表明することに反対する」との緊急決議を採択。6日夜の閣僚委員会が決めた基本方針はこうした声に押され、3日の原案をさらに後退させ、「交渉参加」の文言は消えた。
TPP参加は菅政権の大きな「足跡」となりえる政治決断だった。それだけに首相は10月1日の所信表明演説で「TPPへの参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指す」と宣言。その後も「農業の活性化と国を開くことの両立だ」と繰り返してきた。首相の意欲を受け、経済界などTPP推進派は勢いづいたが、反対派の圧力が強まるにつれ、閣内の足並みは乱れていった。
「旗振り役」だった大畠章宏経済産業相は10月26日の記者会見で「(TPP参加検討は)非常に大変だ」と慎重姿勢に転じた。与党との調整に自信を見せていた玄葉氏も5日には「ストレートに交渉入りを言うのはどうかという思いを実は最初から持っていた」と白旗を上げた。ところが、一連の基本方針の策定過程で首相が指導力を発揮した形跡はない。
首相は5日夕、閣内一の慎重派である鹿野道彦農水相を官邸に呼んだが、TPPへの参加意思さえはっきりしない基本方針案をあっさりのんでしまった。6日夜の閣僚委後、記者団にコメントを求められた前原氏は「いや、結構です。これから進めますよ」と不満をにじませ、鹿野氏は「どうするか決めたわけではありません」。閣内に不協和音は残った。首相は記者団へのぶら下がり取材をキャンセルし、閣僚委で発言しただけ。有言実行内閣は語るべき言葉さえも失ってしまった。
まあ、こんなものだろう。元々、民主党は権力を握ることにしか興味を示していないのだから困難を克服して政策を実行するなどということを期待すること自体が無理無駄ということだ。2009年の選挙でも素人が考えても、「そりゃ、無理・無駄じゃないの」というばら撒き政策ばかりを掲げて、その政策さえ実行に四苦八苦している。予算の付け替えで金が出るなどと、そんなことで金が確保できるなら自民党政権だってばかじゃないのだからとっくにやっているだろう。
鳩は、無責任言いたいこと言い放題で、放り出すし、今の菅内閣は、ただひたすら政権の維持だけに腐心して弱腰・逃げ腰・柳腰に終始している。こんな政権に何かをやれということ自体が無理なことだろう。八場ダムにしても自治体や地元の猛反対に遭うと中止を撤回して韜晦戦術に打って出る。どうせこの連中の頭の中には国家や国民など欠片もなく、党利党略と政権に対する執着心だけが蔓延っているのだろう。
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