ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問したことを受け、日本政府は4日、一時帰国させた河野雅治駐ロシア大使を、11月中旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)が終了するまでロシアに戻さない方針を固めた。一時帰国はロシアへの事実上の対抗措置だが、政府高官は「ロシア側が北方領土に関して新しい動きをしない限りアクションは起こさない」と述べ、新たな対抗措置は講じない方針を示した。

河野大使は3日に一時帰国し、菅直人首相や前原誠司外相らに対し、大統領の訪問の狙いや背景について「2012年の大統領選などを見据え、国内向けにアピールするとの要素が大きい」などと報告した。報告内容を踏まえ、日本政府は河野大使の扱いについて、少なくとも日露首脳会談を行う方向のAPECまではロシアに戻さない方針を確認。メドベージェフ大統領は歯舞群島と色丹島への訪問を計画しているとされているが、日本政府はロシア側がこうした新たな行動を起こさない限り、政府として一時帰国以上の対抗措置を取らないことも確認した。

北方領土は、とりあえず日本の立場をしっかりと表明しておけば、強硬な措置を取らなくてもこれでいいのではないか。島の返還というのはよほどの情勢の変化でもない限り難しい。すでに完全なロシアの施政下にあって1万7千人のロシア人が生活しているという事実はあまりにも重すぎる。現時点で島を取り返すには武力侵攻しかないが、これは無理無体というもの。話し合いでは戻って来ないし、仮に戻って来ても住民の問題など後に尾を引く問題が残る。そうすると日本の立場だけはしっかりと世界に向かって主張する、どうもそれしか手はなさそうだ。遠い将来、また状況が変化して返還に向かうこともあるかもしれない。
 
日本ブログ村へ(↓)