前原外相は2日午後の記者会見で、ロシアのメドベージェフ大統領による北方領土訪問への対抗措置として、河野雅治・駐ロシア大使を一時帰国させることを発表した。外相は記者会見で駐ロシア大使の一時帰国について、「今回のメドベージェフ大統領の国後訪問について、我々の立場をしっかり伝えないといけない。(菅)首相とも相談して決めた」と述べた。メドベージェフ大統領は1日、日本の再三の中止要請を無視して、北方領土・国後島への訪問を強行。外相は同日、ベールイ駐日ロシア大使を呼び、「訪問はわが国国民の感情を傷つけるもので、極めて遺憾だ」と直接抗議していた。
インタファクス通信によると、前原外相がロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問に関する事情を聴くため、河野雅治駐ロシア大使を一時帰国させると発表したことについて、ロシア下院のコサチョフ外交委員長は2日、「悲しむべき過ちだ」と批判した。記事本文の続き 同委員長は一時帰国の決定について「過激な一歩」と主張。日本は大統領の北方領土訪問を機に「北方四島の法的地位の論争を繰り返すつもりだ」と非難した。日本が大使を帰国させても、北方領土を自国領とするロシアの立場に変更はないと断言。ロシアが同様に駐日大使を帰国させるかどうかは、指導部が判断することになると述べた。
中国には手も足も出ずにひたすらひれ伏すばかりだった菅政権がロシアにはずいぶん強気のようだ。どうしたことだろう。前回の弱気に対する批判に懲りたのか、ロシアにはさほどの利害関係がないことが理由なのか、おそらく両方だろう。もしも、相手が強気に出てくれば、報告のために一時帰国させたもので対抗措置などではないと言い繕うのだろうか。
いずれにしても北方4島は完全にロシアの主権が確立しているので返還は極めて困難だろう。仮に返還となってもその住民は全員がロシア系の住民でこれらの処遇も極めて難しい。つまり一旦取られた領土はそれを取り返すには武力しかないということだろう。だからこそ、今実効支配している領土を大事にすべきで、何をしても戻ってはこない領土のためにあちこちで事を構えるのはあまり利口なやり方とは思えない。
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