4年周期で半年程度を要する大規模なドック修理がある。ドック修理終了から約1年間は、低練度艦として基礎的な訓練を繰り返し、その後1年間は、高練度艦として実戦的な訓練を消化する。ドック修理から約2年経過後、約1年間を即応艦として実任務に対応し、次のドック修理まで活動する。この運用体制下では、即時実戦配備可能な護衛艦は全体の4分の1程度で、全護衛艦のおよそ3分の1は出港して訓練中、3分の1は移動中または帰投中、残り3分の1が入港して休養中または整備中となる。護衛艦の寿命は、約30年程度とされる。
現在の護衛艦の就役数は52隻、将来は47隻、そうすると実戦配備可能な護衛艦は12、3隻ほどとなる。ソマリア海賊対策など国際貢献に派遣してしまうと残るのはほんの一握りの護衛艦だけとなるが、こんな程度の数で領海警備など望むべくもないというべきだろう。
この先、大量建造された「ゆき」型護衛艦の退役が迫っているが、それを補う建造計画は目途も立っていない。16、18、22DDHと大型護衛艦の建造に浮かれてはいられない。せっかく大型護衛艦が出来ても護衛する艦艇がないという事態も生じかねない。日本は海洋国で基本的にブルーネイビーとして建造されているので護衛艦の大型化・高額化が著しいが、今後は数を揃えることも考えていかないといけないだろう。
就役数をあまり減らすと個艦優越主義で大きくて高価な護衛艦をということになるのかもしれない。数を揃えられないなら沿岸は小型の警備艦で、はやぶさ型のミサイル艇などで補うのも一つの選う。また、退役年数を延ばして潜水艦を増加させるように、地方隊の護衛艦は計数外として、改装などで沿岸警備に中てる艦船を捻出することも選択肢の一つだろう。海保の巡視船を増強して沿岸警備は海保に任せるというのも良いかも知れない。いずれにしても艦隊用護衛艦の数を確保することは急務だろう。
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