前原誠司外相は22日の記者会見で、中国外務省の胡正躍次官補が「連日、中国を攻撃するコメントを出している」と前原氏を名指しで批判したことについて「(胡氏の)真意は日本と関係改善を進め、日中首脳会談を実現したい思いが根底にある」との見方を示し、直接的な反論をしなかった。
 
前原氏は「尖閣諸島は日本固有の領土だ。現に実効支配しており、その姿勢を貫く」とも語った。月末で調整している日中外相会談では、中国の単独掘削の可能性がある東シナ海のガス田「白樺(しらかば)」(中国名・春暁)の問題やレアアース(希土類)の輸出制限を取り上げる意向を表明した。仙谷由人官房長官は22日の会見で「互いに片言隻句をとらえて過剰に反応せず、大きい、豊かな、ゆとりある気持ちで日中関係をつくっていく」と述べた。
 
結局、何だかんだ言ってみても、事を荒立てたくはないというのが本音なのだろう。対等な関係であればそれも理屈だろうが、事は国家の一方の基本である領土の問題なのだからもう少ししっかりと毅然とした態度で取り組むべきではないのか。中国にもいろいろと国内事情があるようだが、その辺をしっかりと把握しておいて有利な方向に導いていかないと手遅れになるということもある。
 
太平洋戦争で海を抑えられて万事休したように四辺を海に囲まれた日本はそれが強みであるとともに弱点でもある。少しばかりの木が生えている岩だらけの小島だが、それでもしっかりと押さえていないといざという時に首が締まってしまう恐れがあるのだから、きちんと手を打っておくべきだろう。「まあ、ここは一つ良しなにお願いします」という日本流は外交では通用しない。
 
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