7日の日経平均株価は先物への売りで小幅に下げて、前日比6円62銭安の9684円81銭と3日ぶりに反落した。TOPIXは同1.56ポイント高い846.06ポイントと3日続伸だった。この辺りが上値の先とみているのか利食いが出るようだが、底も固いようだ。東証1部の出来高は21億9281万株。売買代金は1兆4225億円。騰落銘柄数は値上がり980銘柄、値下がり520銘柄、変わらず160銘柄。

7日の東京外国為替市場のドル円相場は、米追加金融緩和の気配にドル売り圧力が続き、1ドル82円24銭を付けた。午後5時現在は82円43~46銭と前日比66銭のドル安・円高。先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での為替議論では、日本側が思っている方向に進むのは難しいようだ。
 
今日はトヨタ、三菱重工が子はなな反発だったが、コマツはやや下げたようだ。三菱重工業は9月30日、70-90席クラスの小型ジェット旅客機「MRJ」の生産を開始した。MRJは2012年の初飛行を目指す初の国産ジェット旅客機で、燃費効率が従来機より20%以上削減可能なことが特徴。三菱航空は設計、資材調達、販売を担当する事業会社で三菱重工、トヨタ自動車、三菱商事、住友商事、三井物産、日揮、三菱電機、三菱レイヨン、東京海上日動火災保険などが出資している。

日本航空機開発協会によると、世界の全航空機産業市場規模は約50兆円と家電の6倍以上という超巨大市場。市場規模の成長は依然続いており、民間航空機だけでも年率4%の成長が見込め、2028年までに新規に累計約300兆円(約2万6000機)の需要があるという。民間航空機産業のなかでも中・小型機の需要拡大は顕著とされ、リージョナルジェット(60-119席クラス)の伸び率は特に大きい。リージョナルジェット分野の需要は今後20年間で5000機以上の新規需要が見込め、地域別で見るとアジア地域が最大。そのためアジア諸国にどう売り込んでいくかがMRJの生産量を伸ばすカギになる。

MRJの開発総額は1200億円、機体価格は30億-40億円で販売目標は2012年からの10年間で1000機。採算分岐点は生産数350機だが、現在は全日本空輸の25機(うちオプション10機)、米トランス・ステーツ・ホールディングスとは100機購入の覚書(うちオプション50機)を締結したが、合計は125機と採算分岐点にはまだ遠い。

航空機は自動車の100倍、約300万点の部品から構成されるため、関連産業の裾野は広い。また、高い信頼性が求められるうえ、要素技術からシステム技術までさまざまな領域の先端技術に支えられていることから、簡単には参入できない分野。家電では韓国など新興国に苦戦しているが、航空機産業のような総合的な技術力と膨大な開発コスト、超長期の投資回収期間が問われる分野だと欧米や日本、軍需技術を投入できる中国やロシアなどでしか独自開発は難しいのが実状だ。

経済産業省は2020年に国内航空機産業の売上高を現在の約2倍となる2兆円、2030年の売上高3兆円を目指す。現状では日本メーカーは米ボーイングや欧州エアバスの部品供給・モジュール分担だけを行っているため飛躍的な成長は難しい。超巨大市場だけにボーイングやエアバス以外に価格競争力のある中国・ロシア勢などライバルも多く、過去失敗に終わったYS11の二の舞にならないような官民一体となった戦略が求められそうだ。
この計画は何としても成功してほしいと思う。やはり日本の経済を支えるのはこうした高度先端産業で航空機はすそ野も広いので成功すれば経済界への影響も大きいだろう。
 
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