今さらのように・・・
仙谷官房長官は、沖縄県・尖閣諸島沖での中国漁船による衝突事件で損傷を受けた海上保安庁の巡視船について「原状回復を中国側に請求することになる。当然、我が政府の課題になり得るし、なるべきだ」と述べ、修復を求める考えを示した。ただ、請求する時期については「現時点で行うのか、クールダウンして行うのかは別だ」と明言を避けた。

仙谷氏は日中関係の現状について「釈放したわけだから、中国との戦略的互恵関係を充実させる作業にこれから入っていく。現時点でボールは中国にある」と指摘。その上で「(中国側が)のどに刺さったとおっしゃっているトゲが結果として抜けた。この秋の外交日程で、平和的な対応を実践していただけると考えている」と述べ、中国側の軟化に期待感を示した。
 
勝ち誇ったように・・・
仙谷官房長官は27日午後の記者会見で、中国の漁業監視船2隻が沖縄県・尖閣諸島沖の日本領海周辺で24日夕から活動していることを明らかにした。これに対し、外務省は計4回にわたって、中国側に中止を申し入れた。漁業監視船は、中国が東南アジア各国と領有権をめぐり対立している南シナ海にも派遣している。尖閣沖への派遣は、中国漁船の保護と日本の海上保安庁巡視船へのけん制が目的とみられ、同海域での緊張が続きそうだ。監視船は、「漁政201」と「漁政203」。仙谷長官によると、27日午前6時の時点でも、尖閣周辺の日本領海(12カイリ、約22キロ)の外側に隣接する「接続水域」(領海の外側約22キロ)で活動している。

これに対し、海上保安庁が巡視船6隻を派遣して、領海内に侵入しないよう警戒している。24日に連絡を受け、政府は首相官邸の情報収集態勢を強化した。仙谷長官は「首相官邸を中心として、関係省庁の連携、協調の下で厳正に対応していく」と強調した。
 
冷静な対応・・・
中国が、ハイテク機器の製造に欠かせないレアアースの対日輸出を実質的に禁止したが、日本政府や産業界は比較的冷静に受け止めている。中国は7月に2010年の対日輸出枠を前年比4割減にする方針を決めたばかりで、今回の禁輸措置が供給不安を増幅し一段の価格高騰も懸念されている。ただ、政府や産業界は輸出制限を強める中国からの調達が難しくなることを見越し、新たな調達先確保や代替技術の開発など手を打っており、「中国の影響は今後小さくなる」との見方も強い。

 ◆一国依存を打破
レアアースは自動車や家電製品、医療機器などに幅広く使われ、主要な素材に少量加えるだけで性能アップを図れるのが特徴。一般的なハイブリッド車の場合、1台に約400グラム使われるとされる。世界の生産量は09年で約12万4000トンと推定され、生産の97%を中国が握る。当面、禁輸によって価格高騰が懸念されるが、「民間企業も在庫積み増しや代替手段の確保に動いており、すぐに大きな影響は出ない」(経済産業省)見通し。大手商社によると「民間企業は1年分程度は在庫を抱えている」もようだ。

 中国は今回、日本以外の国への輸出をやめていない。このため「当面は別の国を経由して輸入する方法もある」。ある大手精密機械メーカー幹部は、海外生産を拡大する中で国内で使用する量が減っていることもあり、「レアアースが物理的に日本にこなくても影響は大きくない」と話す。また、レアアースの生産量は中国が97%を占めるが、埋蔵量自体は3割超に過ぎない。日本政府は、中国一国に依存した状況を打破するため(1)新規調達先の確保(2)リサイクル(3)代替技術・材料の開発(4)備蓄-の4本柱を打ち出している。新規調達先では、ベトナムで豊田通商と双日がレアアース権益を獲得し、12年から生産を開始。カザフスタンでは住友商事が現地公社とウラン鉱石の残りかすからレアアースを回収する事業を11年にも始める。両プロジェクトで日本の需要量の約3割がまかなえる見通しだ。

 ◆リサイクル技術も
代替技術の開発も急ピッチだ。立命館大学の谷泰弘教授らは8日、レアアースの一つで液晶テレビのガラス基板の研磨材に使われるセリウムの代替技術を開発した。谷教授は「工業的に安定供給できる技術水準。1年以内の実用化を目指す」と話し、さらに「セリウムの国内使用量のうち、半分以上は代替技術に置き換えられる」としている。さらに、政府は7月にレアアースの国家備蓄を可能とする省令改正を実施。「実態調査を踏まえて検討する」(経産省)としている。
 
今回の禁輸措置の原因とみられる尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で日本側が24日、中国船船長を釈放したことで禁輸措置も解かれる可能性が出てきた。ただ、今後も中国が“外交カード”に使う可能性もあり、日本としては影響を受けない体制の早期確立を目指す。
 
切り札を切ってしまってから、国内の批判にも怯んで、今さらのように巡視船の修理費用を出せだの、尖閣諸島周辺に展開している中国の漁業監視船を引き揚げろの言ってみても、中国にしてみれば既得権益のように考えているだろうし、そのために強硬な態度を崩さなかったのだから後に引くはずもない。フジタの社員も解放せず、輸出検査規定も強化してさらに日本に対する圧力を強化している。
 
この先、尖閣諸島海域で海保の巡視船と中国の漁業監視船の間で偶発的な武力衝突を起こさないことを祈るばかりだ。
 
そんな状態の中で比較的冷静な対応をしているのが産業界で、ろくな政治も出来もしない政治家などよりもいっそのこと「日本株式会社」にしてもらって国家運営は経済界に任せた方が良いのではないだろうか。
 
前半戦は完敗といった風情の日本の対応だが、この先緊張関係はまだまだ続くだろう。制限を課せば首が締まるのはお互い様なのだからここは腰を据えてしっかりした対応をしないとどこまでつけもまれるか分からない。おどおどした表情で、「謝罪も賠償も絶対に拒否する」などと言っていないで世界の大国のリーダーとしてそれこそ毅然とした態度でものを言ってもらいたい。
 
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