奇想天外、反主流の研究大歓迎。民主党の文部科学部会が、こんな科学研究拠点の創設を提言した。その名は「平賀源内記念研究所(仮称)」。新たに発行する「科学宝くじ」の収益を、タイムマシンなど実現不可能とされる研究や常識にとらわれない研究に投じる。事業仕分けで「投資に見合う研究成果を」と強調してきた民主党が、成果主義で買えない「夢」を育てることができるか。提言は19日、同部会の科学技術チームがまとめた。欧米では研究機関に偉人の名を付けることが多い。
チーム主査の首藤信彦衆院議員によると、静電気発生器「エレキテル」など数々の発明をなした平賀源内(1728~79年)を研究所の名に頂く。日本は明治維新以降、西洋科学を欧米から輸入し発展させてきたが、それ以外の手法や日本独自のテーマについても再評価して育て、次世代の発展につなげたいという。
原資は、受け取り手が現れないまま有効期限を迎えた宝くじの「時効当せん金」の一部を活用するほか、新たに「科学宝くじ」を創設して年間10億円程度を調達。国内外から50人程度の「異才、奇人」を集め、自由に研究してもらう。実現性は未知数だが、首藤議員は「タイムマシン研究でもいい。欧米に追いつけ追い越せの理工学以外から、新たな分野が開かれる可能性がある」と夢を膨らませる。
どうも、こいつ等は骨の髄までバカに違いない。先進国が、しのぎを削って競い合っている先端技術開発費や情報収集費をばっさりと削減しておいて、億単位の金をどうにもならないようなタイムマシンなど実現不可能とされる研究や常識にとらわれない研究に投じるというのだから。
今の日本の技術は欧米の模倣でもなければ輸入でもなく、独自の方法で欧米を凌駕する技術を生み出している。最近、英雄のような小惑星探査衛星「はやぶさ」も間違いなく日本の独自の発想と技術から生まれて成功を収めたものだ。先端技術というものは分進秒歩でほんの僅かな遅れが取り返しのつかない大きな遅れになることもある。柔軟で豊かな発想は、ゆとりのある研究環境から生まれるもので、奇妙奇天烈な環境から出てくるものではない。
平賀源内も、オランダのエレキテルを紹介したり竹とんぼなどを発明したと言われるが、実用的研究には一切結びついておらず、後世の評価を二分する一因になっているという。また、晩年は、酔っ払って大名屋敷の改築計画書を盗まれたと誤信して2人を殺傷して獄死したという。
先端技術は珍妙な発想ではなく、地味でも確実な研究の積み重ねからしか生まれない。常識に囚われない自由な発想なら、麻生総理の国営メディア芸術総合センターのようがよほどマシかも知れない。政権交代後しても何の政策も打ち出せず、外交関係は目茶目茶にして、権力闘争に明け暮れているようでは、常識に囚われない大胆で自由な発想が必要なのは先端科学技術ではなくて政治家の皆様でなないのか。平賀源内記念研究所とやらにご自分たちがお入りになったらいかがなものだろうか。
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