沖縄県の先島諸島周辺での中国海軍の活発な活動などを踏まえ、防衛省が宮古島や石垣島に陸上自衛隊の国境警備部隊(数百人)を、与那国島に陸自の沿岸監視部隊(約100人)を、5~8年後をめどに段階的に配備する方向で検討しているという。
沖縄本島以西は自衛隊がほとんど配備されていないため、国境に近い先島諸島の防衛と周辺海域の監視強化が狙いだが、近接する尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張する中国や台湾が反発を強めるのは必至だ。
北沢俊美防衛相は、先島諸島への陸自配備に向けて2011年度予算案に調査費を計上する考えを既に表明。同省は11年度からの新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画で島しょ防衛強化を打ち出し、「災害対処」や「警戒監視」などの名目で配備の必要性を書き込む方針。
同省幹部によると、宮古島や石垣島に配備を検討しているのは、長崎県対馬市の陸自対馬警備隊(約300人)のような国境警備部隊。一方、日本最西端の与那国島には、北海道稚内市の陸自第301沿岸監視隊(約100人)をモデルにした部隊の配備を想定している。
少しばかり前の記事だが、先島諸島には当然自衛隊を配備すべきだろう。先島諸島は、宮古島に空自のレーダーサイトがあるだけで、石垣島、西表島、与那国島などには全く軍隊の配備がない。他国と目と鼻の先にあるこれらの島々に防衛措置が取られないというのは如何にも不自然なことだ。石垣島には海上保安庁の大型巡視船が配備されているが、西表島には駐在が3ヶ所、与那国島には駐在が2ヶ所、しかし、言うまでもなく海上保安庁や警察は公共の安全維持のためで侵攻軍との戦闘のために配備されているわけではない。また、そんな装備もなく、訓練もされていないので、武力侵攻には無力だろう。
先島諸島は、尖閣列島などを含み、軍事的にはかなり緊張度の高い地域だ。本来なら監視部隊などと言わずに、石垣島辺りに普通科1個連隊と海自のミサイル艇部隊、宮古島と与那国島に普通科1個中隊程度を配置しても良いくらいだ。台湾、中国の反発と言っても中国などは自分はやりたい放題なのだからあまり問題にする必要はないだろう。何よりも外交は相互主義なのだから。
与那国島は長く台湾の防空識別圏に入っていたのが、最近、自衛隊がわが方の防空識別圏に組み入れたようだ。独立主権国家の領土なのだからそれは当然のことで問題視すること自体がおかしい。空自はF-X選定でもめているが、これも早めに決着して戦力の維持向上に努める必要があるだろう。軍事力を保持することが是か非かというよりも、世界には軍事力が常識的に存在し、外交的な問題が軍事力で解決を見ると言う事実があることを認識して、少なくとも理不尽な武力侵攻を思い止まらせる程度の武力を保持することは必要不可欠なことだろう。
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