今日は参議院議員選挙の投票日で、投票が続いているが、投票率は前回と比較するとやや低いようだ。今回の選挙の最大の焦点は、与党民主党・国民新党が過半数を占めるかと言う点だが、選挙前の状況分析では、どうも否定的なようだ。議席数42で大惨敗などと言う予想もあるが、大方は50議席前後で、過半数には及ばないだろうというところのようだ。
 
民主党は選挙前に鳩山氏から菅氏に首相を交代して支持率を大幅に回復したが、この菅氏が消費税10%発言をしたことが原因で、その後、じりじりと支持率を落として、どうも過半数獲得が難しいのではないかと言うレベルまで来てしまったが、鳩山氏なら40の前半程度、悪くすれば40割れもあっただろうから、そんなに悪い数字ではないだろう。
 
しかし、民主党は選挙で勝てばいいというのが、党是なのか、あまりにも選挙に拘りすぎるのではないだろうか。政権交代を果たした昨年の衆議院議員選挙でもこども手当、高速道路無料化、ガソリン税暫定税率廃止など金のかかる政策ばかりを掲げ、「コンクリートから人へ」という耳障りの良いキャッチフレーズを振りまいたが、どうもどれも金ばかりがかかって、身動きが取れなくなったようだ。
 
無駄の排除や埋蔵金などで経費は賄えると言ったが、本来、無駄か無駄でないかは相対的なもので、前政権が札束で飯を炊くようなことをしていたわけではないだろうし、予算の捻出に苦しんでいるのは、どちらも同じなので、そんなに何とかなるなら、前政権も何とかしていただろう。
 
消費税の増税は時代の趨勢で止むを得ないと思う。10%というが、遠からず、欧州各国なみの10%後半の税率が必要になるだろう。税金と言うのは国家を維持するための供託金のようなもので、国民はその立場に応じた税金を負担すべきだろう。大体、国家と国民は基本的に一心同体の運命共同体なのだから。
 
政権与党なのだから、その辺りをしっかりと説明して国民に増税をお願いするという横綱相撲を取るべきなのだろうが、ちょっと反発を食らうと慌てて、説明が足りませんでした、増税はしませんと前言を翻すのは何ともいただけない。その辺りを、「逃げ菅」というのかどうかは知らないが、今の日本国民は馬鹿ではないのだから、増税も止むなしと言う状態であることくらいはそれなりに理解しているだろう。
 
前政権もそうだったが、良いことを言ってはどうにもならなくなると右往左往しては言を左右するのは政権政党として如何にも頼りない、まあ、金を取られるのは面白くないことには違いないが、国家は崩壊してしまっては、税金が高いの安いのと文句も言えなくなってしまう。
 
その点では、増税をしっかりと公約として盛り込んだ自民党の方がまだ堂々としているのかも知れない。しかし、自民党政治への拒絶感はまだまだ続いているようで、比例の支持率は低迷している。自民党ももう少し変ったと思えるよなところを見せないと政権奪還の道のりは遠いのかも知れない。
 
新党というのは、時期もので、これがすぐに本格政権へと発展するわけではない。政局に乗じてキャスティングボードを握ることはあるだろうが、先行きはなかなか難しいものがあるだろう。みんなの党が頑張っているのは、政権交代前に自民党を離れてやってきたことやなかなか元気の良いことを言っていることが好まれているのだろう。増税をしないという点も評価されているのかも知れないが、やり繰りで何とかなるというものでもないだろうし、ないとは思うが、みんなの党が、仮に政権を取れば、継続的かつ安定した財源確保のためにやはり増税と言うことになるだろう。あれもしてあげます、これもしてあげます、税金は上げませんなんてことは魔術師でも不可能だろう。
 
戦後からずっと続いてきた高度成長は完全に終わって日本は新しい方向を探して歩き出さなくてはいけない時期に来ている。よほどの世界的な変化がない限り、この国に高度成長が訪れることはもうないだろう。この先、この国をどんな国にしようというのか、そのためにはどうすればいいのか、それを真剣に考えていかないとこの国はとんでもないことになってしまうかも知れない。それは単に政府や政治家に任せておけばいいというのではなく、国民も政府政治家と一緒に考えていかなくてはいけないのだろうが、この超他力本願の国民にはどうだろうか。
 
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