航空自衛隊のFXは相変わらず迷走しているようだ。先日、中日新聞が、防衛省と航空自衛隊は、
F-35・F/A-18E/F・EUROタイフーンの3機種
に候補を絞って選定に入り、平成23年度予算に取得費用を計上するようだという記事を書いたようだ。しかし、他の新聞には全く掲載されていない。この3機種だが、F-35は取得の時期からしてどうもF-4EJ改の減耗時期に間に合いそうもない。16・18DDHあるいは22・24DDHとの連携運用などを考えるとこの選択はなかなか面白そうだが、時期とライセンス生産などを考えるとどんなものだろう。
F/A-18E/Fは、飛行性能にやや難がある(機動性と加速が良くないらしい)ということだが、レーダーFCSは超一流でこれだけでも価値があると言う。しかし、どうも航空自衛隊には評判が良くないF-2改でも、さほど変らないだろう。米国製で馴染みもあり、ある程度のステルス製もあるということで悪くはないのだろうが、艦載機で余分な装備も多く、前回のFS-Xの時は全く嫌われていたようだから、どんなものだろう。
EUROタイフーンはライセンスも問題なく、飛行性能もなかなかのようだが、欧州製というのが最も引っかかるところだろう。当面、2個飛行隊分40機だけというのならこの選択もあるかと思うが、F-15非MSIP機の更新分も含めてというとF/A-18も同様だが、問題は大有りだろう。
ATD-Xの実用機と言っても、仮に計画が成功裏に終わっても、計画終了後、10年はかかるだろうから、2025年以降でFXX又はF-2の更新用のFXXX辺りまでかかってしまうだろう。F-15FXなども航続力も攻撃力もかなりのもので、悪い選択ではないだろうが、何しろ機体設計自体が1960年代ときわめて古いので、これも繋ぎにしかならないだろう。
すんなりとF-2あるいはF-2改に引き継がれていれば、その次にと言うことでF-35が当確だったのだろうが、F-2を嫌ってF/A-22を熱望したので迷走に拍車がかかってしまった。中日新聞の記事がどの程度の信用性のあるものかは別にして今後もFXの機種決定は難しいものがあるだろう。個人的な好みで言えば、F-2あるいはF-2改、それがだめなら、F-15FX(本当に作る気があるのならF-15SE)辺りで良いのではないかと思うが、国防は個人の好みではないのでなんとも難しい。しかし、今年中には動きがあるだろう。
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