何一つまともなことが出来ずに辞任となった鳩山総理だが、政府の体たらくに較べて着実に実績を積み重ねていることもある。
まず、小惑星探査衛星はやぶさが今月中旬に地球に帰還する。3億キロの宇宙の旅を行く度の困難を乗り越えて帰還までこぎつけたスタッフの努力には敬意を表したい。また、日本の宇宙航行技術も十分に賞賛に値する優れたものであることを立派に証明して見せた。事業仕分けなどと愚かしいことを言っている政治家諸氏も自分の事業仕分けでもしたほうが良いのではないだろうか。
次にH-2A17号機が金星探査衛星他小型相乗り衛星を載せて無事打ち上げに成功した。これで11回連続打ち上げ成功となり、H-2Aは安定した大型実用衛星打ち上げ用ロケットであることを世界に証明したことになる。これも素晴らしいことで、HTV(宇宙ステーション無人補給機)などと並んで日本の宇宙開発技術が世界のトップクラスに位置していることを証明した。こうした先端技術にもっと金をかけて先端技術で国を支えていくようにしていかないといけない。
それからこんなことは報道されないだろうが、TK-X(今回予算がついたので10式戦車と呼称されるのだろうか)は、90式を軽量化して、C4Iを盛り込んだ平凡な戦車かと思っていたが、どうしてかなり先進的な戦車のようだ。まず主砲の120ミリ砲だが、今回は国産砲で、しかも試作段階で製作した135ミリ砲は、何と初速2千メートルを超えると言う超高速砲だったようだ。その技術を盛り込んだ120ミリ砲も相当な高威力砲のようで、砲弾は90式の120ミリ砲では使用は出来ないようだ。
また、装甲についても、軽量化したとは言え、90式が開発された当時と同等の抗堪性のある装甲であれば当時の重量の30%で実現出来るそうだ。90式でさえ、正面装甲の抗堪性には定評があったのだから、進歩した材質や各種装甲の組み合わせで軽量化された分を補って余りある十分な強度を持つ装甲を構成することが出来るという。増加装甲をすべて装着した状態での総重量は44トンとも48トンとも言われるTK-Xだが、C4Iやアクティブサスペンションなどの先進技術に加えて攻撃力も防御力も相当に強化された有力な戦車として登場するようだ。あまり評価されることのない軍事技術だが、こうした技術も国を支えていくためには大事な技術であることは言うまでもない。
民主党政権と同様に迷走するF-Xについては、F-2又はF-2改が選択される可能性はほとんどなくなったようだ。航空自衛隊は戦場航空阻止能力をF-Xに求めていると言うが、F-2では機体が小型に過ぎて十分な戦場航空阻止能力を付与できないと言うのがその理由らしい。戦場航空阻止とは例えばどこぞの国のミサイル発射基地を叩くとかそうした能力だが、それを考えるとF-15FX(あるいはF-15SE)が有力らしい。
しかし、いっそのこと1兆円くらい金をかけて機体、エンジンの両方を自主開発するというのも良いのではないだろうか。この国ではあり得ないだろうが、航空機開発・生産というのは極めて裾野の広い産業で派生する技術も非常に広範囲だ。選挙の票欲しさのばら撒き政策よりもこの国のためには有効ではないだろうか。
これ以外にもそろそろ形が見えてくるだろうMRJ、環境技術、エレクトロニクス、原子力発電、高度医療技術、ナノテクノロジー、高度先端技術には限りがない。こうした技術を持っていれば国が疲弊することはない。こうした技術開発に政治が理解を示してもっと予算を使うべきだろう。
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