「他にもこれはと思うのがあるけど、あなたたちのはないみたいよ。」

僕は取り敢えずURLを保存するとウィンドウを閉じた。見ているとむかつくこともむかつくが、何だか変な気持ちになってきそうなのでこれ以上は見るのを止めておいた。

どうも男という生き物は救われないところがあるようだ。
女土方はまだ黙って下を向いていた。もしかしたら女土方は僕が、佐山芳恵と言うべきなのかもしれないが、写っているのを知っていたのかも知れない。

パソコンを落としても腹立たしさが治まらずタオルを椅子に向かって投げつけてやった。そんな様子を見ていてクレヨンは「もう遅いから休むわね。」と言って後ずさりするように部屋から出て行った。

「大丈夫。」
女土方は僕の様子をうかがうように小さな声で言った。

「大丈夫よ、こんなことくらい。ちょっと腹が立っただけよ、こんな卑劣なことをする奴に。」
女土方は黙って頷いた。

「ねえ、あなた、知っていたんじゃないの。このことを。」

「私が直接確認したわけじゃないけどそんな話は聞いていたわ。でもあなたに言い辛くて。ごめんなさい。」

女土方は消え入りそうな声でやっとそれだけを言った。まあ別に特別なものでもないし、これまで世間様に披露したことがない訳でもないだろうし、僕の名前が書いてあるわけでもないし、その辺は割り切ってしまえばどうということはない。

こんなことにさらりと対応できるのは男の特権だろう。でも別にちょっと困ったことがあった。何だか男の直線的な欲望まで頭をもたげて来て治まりが着きそうになかった。

「ねえ、ちょっと手伝って。ねえ、いいでしょう。治まらないの。」

僕は女土方を椅子から引き起こすとベッドへ引っ張って行った。女土方は驚き呆れたような顔をしてはいたが、別に拒否はしなかった。

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