ああだこうだと言い逃れのようなことを言い続けてきたツケはいよいよ自分の首を締め付けることになってきたようだ。米国は首脳会談も、日米間の実務者協議も拒否し、政府案で移転先という沖縄、鹿児島両県でも反発が広がって収拾がつかない状態になってきている。
首相が米国と地元自治体、与党の同意を得て決着させる、と公約した「5月末」まで残りは1か月余りだが、1ヶ月で米国。自治体共に納得させるような「腹案」が飛び出してくるというのは、奇跡そのものと言っても良いだろう。
岡田外相は、ルース駐日米大使に、沖縄県名護市にまたがる米軍キャンプ・シュワブ陸上部や鹿児島県の徳之島などを柱とする移設案を説明して、「ボールは米国に投げた」つもりになっていたが、米側はそんな日本政府に不信感を募らせたようだ。大体、基地を長期に安定して運営するためには不可欠な地元合意はなく、泥縄で苦し紛れに出した案はほとんど素人同然の内容のようだ。
首脳会談を拒否された首相は12日にワシントンで開かれる「核安全サミット」の夕食会でオバマ大統領に、普天間移設について積極的に働きかけたい意向のようだが、米側は、積極的に受ける意思はないようだ。
苦し紛れに持ち出した徳之島移設案でも、地元対策で、平野官房長官が衆院鹿児島2区選出の徳田毅衆院議員(自民党)に、「何か知恵を貸してくれ」と要請したそうだが、徳田氏は「徳之島は絶対に駄目だ」とにべもなかったそうだ。
どうも格好をつけて大見得を切った普天間問題は、鳩山政権の命取りとなってきたようだ。その上、連立離脱をちらつかせながら沖縄県外・国外移設に固執する社民党との調整も大きな波乱要因のようだ。社民党の福島党首は徳之島移転を、地元の反対を理由に否定し、「(米領)グアム、テニアン」など国外移設を目指すというが、何の調整もなく、外国領土への移転を日本政府が言い出すというのも何とも滑稽なことだ。
鳩山首相は、未だに、、「今までは米国の主張を受け入れ、従属的に外交を行ってきた。それよりも、一方的に相手の言いなりになるよりも、お互いに議論を通じ、信頼を高めていく」などと能天気なことを言っているが、議論を尽くした正式案も対抗案もなく、口先だけで何を言っても相手にされるほど外交は甘くないだろう。
軍事、政治、経済における中国の台頭で日本の外交的な立場は極めて微妙になっている。あまり米国に楯を突いてそっぽを向かれると日本は政治・経済的にも安全保障上も孤立しかねない。
鳩山内閣が崩壊しても衆議院で300議席を確保する民主党の政権が終わるわけでもないが、政権を担当する政府はもちろんのことだが、この国の国民も一時の情緒に流されずにもう少ししっかりと先行きを考えて行動した方が良いだろう。あっと気がついて慌てふためいても簡単に取り返しのつく問題ではなく、そうかといって自国の安全は自国で確保すると言えるほどの覚悟もないのだろうから。
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首相が米国と地元自治体、与党の同意を得て決着させる、と公約した「5月末」まで残りは1か月余りだが、1ヶ月で米国。自治体共に納得させるような「腹案」が飛び出してくるというのは、奇跡そのものと言っても良いだろう。
岡田外相は、ルース駐日米大使に、沖縄県名護市にまたがる米軍キャンプ・シュワブ陸上部や鹿児島県の徳之島などを柱とする移設案を説明して、「ボールは米国に投げた」つもりになっていたが、米側はそんな日本政府に不信感を募らせたようだ。大体、基地を長期に安定して運営するためには不可欠な地元合意はなく、泥縄で苦し紛れに出した案はほとんど素人同然の内容のようだ。
首脳会談を拒否された首相は12日にワシントンで開かれる「核安全サミット」の夕食会でオバマ大統領に、普天間移設について積極的に働きかけたい意向のようだが、米側は、積極的に受ける意思はないようだ。
苦し紛れに持ち出した徳之島移設案でも、地元対策で、平野官房長官が衆院鹿児島2区選出の徳田毅衆院議員(自民党)に、「何か知恵を貸してくれ」と要請したそうだが、徳田氏は「徳之島は絶対に駄目だ」とにべもなかったそうだ。
どうも格好をつけて大見得を切った普天間問題は、鳩山政権の命取りとなってきたようだ。その上、連立離脱をちらつかせながら沖縄県外・国外移設に固執する社民党との調整も大きな波乱要因のようだ。社民党の福島党首は徳之島移転を、地元の反対を理由に否定し、「(米領)グアム、テニアン」など国外移設を目指すというが、何の調整もなく、外国領土への移転を日本政府が言い出すというのも何とも滑稽なことだ。
鳩山首相は、未だに、、「今までは米国の主張を受け入れ、従属的に外交を行ってきた。それよりも、一方的に相手の言いなりになるよりも、お互いに議論を通じ、信頼を高めていく」などと能天気なことを言っているが、議論を尽くした正式案も対抗案もなく、口先だけで何を言っても相手にされるほど外交は甘くないだろう。
軍事、政治、経済における中国の台頭で日本の外交的な立場は極めて微妙になっている。あまり米国に楯を突いてそっぽを向かれると日本は政治・経済的にも安全保障上も孤立しかねない。
鳩山内閣が崩壊しても衆議院で300議席を確保する民主党の政権が終わるわけでもないが、政権を担当する政府はもちろんのことだが、この国の国民も一時の情緒に流されずにもう少ししっかりと先行きを考えて行動した方が良いだろう。あっと気がついて慌てふためいても簡単に取り返しのつく問題ではなく、そうかといって自国の安全は自国で確保すると言えるほどの覚悟もないのだろうから。
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