22DDHの予算がついて後は22年度予算が成立すれば建造に向けた作業が開始されることになる。基準排水量19,500トン、満載では2万5千トンを超える250メートルの全通甲板を持った護衛艦をどう使うのだろうか。

指揮中枢艦、輸送補給艦、災害救援艦、何でも使えそうだ。ヘリも15機程度は運用出来そうだし、燃料油3,300トンを積載出来、補給も可能だ。車両50台に人員4千人も乗せることが出来る。なるほど多目的艦だから何でも出来そうだ。

しかし、ちょっと待てよ、車両や人員が輸送出来るとは言っても揚陸手段を持たないから強襲にはヘリを使う以外にはない。油を積んでいるとは言っても、3千トンでは補給艦には及ばないし、洋上補給もやり難そうだ。海外の紛争地域からの邦人救出なんて良いかも知れないが、そう滅多にあるものでもないだろう。

何よりもあの艦は戦闘艦なのだからその方への有効な使用が一番大事なことだろう。しかし、固有武装はCIWSとRAMだけで他には何もないので戦闘力は航空機しかないということになる。当面はヘリ11機を搭載するようだが、その程度のヘリでは対潜戦には十分な数だろう。SH-60Kには対艦ミサイルAGM-114 ヘルファイアも積載できるのである程度の水上打撃力は確保できるだろうが、本格的な打撃力として、やはり固定翼航空機が欲しいところだろう。

もっとも可能性があるのは、固有の艦載航空機を持たずに航空自衛隊がF-35Bを装備してちょっと足が足りない作戦の場合に移動中継基地として使用するなどというのは面白いかも知れない。どこぞの国のミサイル基地を叩く時などはちょっと行き足が足りない場合に日本海に配備しておいて行きあるいは帰りに燃料を補給する、損傷した機体は22DDHに緊急着艦する、そんな使い方もあるだろう。

あるいは短期間の艦上オペレーションなど、・・。その程度なら十分に活用出来そうなので離島作戦などの時は有効だろう。その辺りを考慮してF-XにF-35を導入というのならそれはそれで面白いかも知れない。AV-8Bスーパーハリヤーでも良いと言う向きもあるが、それは可能性としてはゼロに等しいだろう。

配備後の主な活動は艦隊の指揮中枢・航空機運用艦だろう。自艦防御程度の固有武装しかないので常時護衛艦数隻を貼り付けないといけないだろうが、防空護衛艦1隻、汎用護衛艦2隻程度は必要だろうか。それはそれで良いのだろうか、せっかく立派な多目的空母を建造するのだからいろいろ有効な活用を検討して良い使い方をして欲しいと思う。艦籍番号はDDH183だろうが、DDとは言ってもギネスブックに載りそうな世界最大級の駆逐艦で、何よりもそれはもう立派な多目的軽空母なのだから。

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