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C-Xがやっと初飛行するようだ。この機体は日本が自主開発する機体としては過去最大で、ターボファンエンジン双発、主翼は高翼配置、尾翼はT字タイプ、胴体後部に貨物出し入れ口を設け、主脚は胴体下部にバルジを設けて収納するなど、現行のC-1をほぼ踏襲している。しかし、性能と機体規模はC-1を大きく凌駕しており、特に航続距離とペイロードは12トン搭載時に8,900キロとC-1をはるかに凌駕している。最大ペイロードは37トンとC-1の4倍以上となっている。

開発の基本コンセプトは、大搭載量・長距離航続・高速巡航で、C-1の航続距離不足を解消して余りあるものとなっている。エンジンはボーイングやエアバス製の旅客機にも使われている大推力のCF6-80C2K1を2基装備する。そのため巡航速度が速く、民間の旅客機並みの高亜音速で、民間の旅客機と同じ高度や航路を活用して目的地への迅速な輸送が可能となる。また、大型の機体であるが、大推力エンジンの搭載等により短距離離着陸性能を有していて、滑走路の短い地方空港への輸送にも運用できるという。

順調に開発が進めば良いことずくめだったが、静強度試験において、水平尾翼の変形、主脚及びその付近の胴体構造の一部に変形及び接触、胴体の床構造の一部にひび・変形といった強度不足が発生したことから、各部の改設計が行われることとなったが、三菱が担当した中部胴体の改善に予想外の時間がかかったことから、その後の計画に遅れが生じたようだ。

2007年7月4日にロールアウトしたが、静的強度試験機の不都合発生により、初飛行は、遅れに遅れて、2009年度予算での調達も見送られ、防衛省では川崎に対し違約金の請求を検討するとしているようだが、2010年1月にやっと初飛行にこぎつけたようだ。今後、自衛隊に納入されて試験飛行などを行った後に装備化ということになるのだろうが、他国への影響を考慮して十分な輸送力を保有することが出来なかった航空自衛隊としてはC-Xの装備化でやっと国際平和維持活動、国際緊急人道支援任務など、自衛隊の活動範囲がグローバル化に対応することが出来る長い航続距離と搭載能力を有した輸送機を保有することになる。

輸送機などは太い胴体に翼をつければ良いのかと思ったが、なかなかどうして難しいものだ。米国のC-17やヨーロッパ共同のA-400なども強度不足や重量超過で大分苦労したようだから、日本の技術がどうこうということでもないらしい。P-Xが比較的順調に開発が進んでいたので先進戦闘機でもないC-Xも順調に開発が進むと思ったが、ずい分と予定が遅れてしまったようだ。しかし、何とか無事に仕上がったようだからこれでも良いのかも知れない。せっかくの大型輸送機なので大事に仕上げて大いに活躍して欲しいものだ。

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