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22DDHの予算も無事について22年度から建造が開始されるだろうが、これであっという間に3隻目の空母型護衛艦が世に出ることになる。英国では6万5千トン型のクイーンエリザベス級空母の2番艦「プリンスオブウェールズ」の建造を中止するという。理由はF-35Bの開発が難航して価格が1億ポンドを超えそうで予算不足になるからという。

建造中の2番艦を中止すると建造するよりも金がかかるというので完成はさせるが、強襲揚陸艦として使用する案もあるようだ。しかし1隻では修理期間などもあり、なかなか効果的な運用も出来ないだろうという。ロシアも空母を建造したもののなかなか思うようには運用が出来ていないようで現在はアドミラル・クズネツォフ1隻のみを運用中のようだ。

フランスは堅実に2隻を運用して来たが、現在はシャルルドゴール1隻体制となっている。これも財政難や船体の強度不足など設計上の問題があったようで英国の空母を導入するなどいろいろと取り沙汰されている。しかしフランスは艦載機も自国開発しているので英国のような問題はないようだ。

中国も大型の空母を建造するという話はあるが、なかなか具体的な話にはなって来ないようだ。経済成長目覚しい中国なので建造費についてはさほど問題はないだろうが、自国で建造するとなると技術的な問題などさまざまな問題が出て来るだろう。正規空母よりも軽空母的な艦となりそうにも思う。インドもロシアの空母を買い取って改装中のようだが、次の国産になるとやはり問題が出るだろう。ある程度の規模の船体と広い甲板があれば良いのではないかと思うが、空母も実際に作って運用するとなるとなかなか難しいようだ。

日本の場合は、原潜、空母というのは極めてデリケートな装備でこれまではなかなか実現が難しかったようだ。海上自衛隊では創設後に第二次世界大戦中の米国のボーグ級護衛空母を譲り受けて対潜ヘリ空母に改装しようとか(これはあまりに低速ということで断念したらしいが、・・)、国産で1万トン級のヘリ空母を作ろうとか、それがダメとなるとDLHとかいうヘリ10機を搭載する8千トン級の航空護衛艦を建造しようとか(これはオイルショックの予算不足で潰れたが、・・)、いろいろな案が浮かんでは消えていた。

それに全通甲板という空母型艦形にも抵抗が根強かったようだ。何とか作り上げた「はるな」級、「しらね」級が耐用年数に近づくと遂に次世代ヘリ搭載護衛艦の計画を始めた。しかし、輸送艦で空母型の艦形を採用したら「空母だ、空母だ」と騒ぎ立てられた。やはり海上自衛隊もあの艦形には戸惑いがあったようで想像図には艦の前後に飛行甲板、中央に巨大な艦橋構造物という何とも珍妙なものを世に出して見た。

これには世間もさすがに驚いたらしく喧々諤々の議論が巻き起こったが、よく見れば艦橋構造物の中央から左舷寄りを撤去すればごく普通の軽空母型艦形が出現するという代物だった。そして最後に海上自衛隊は今の「ひゅうが」、「いせ」の原型となる艦形図を公表し、一件落着となった。

そしてあっという間に「ひゅうが」、「いせ」に加えて「22DDH」と3隻の軽空母を建造あるいは予算化してしまった。24DDHも問題なく世に出て来るだろう。これで海上自衛隊は何時でも軽空母1隻を、緊急時には2隻を、前線に配置出来ることになる。口を閉ざして世間を煙に巻いて4隻もの軽空母を配備しようとは何とも強かな海上自衛隊ではないか。しかも排水量2万トンの「ひゅうが」も駆逐艦、2万5千トンを超える大型艦も護衛艦、艦種記号で言えばDDH(ヘリ搭載駆逐艦)で済ませるのだろう。後にも先にもこれほど大型の駆逐艦は世に出てこないだろうから、史上最大の駆逐艦として海軍史に残ることだろう。ギネスに登録されるかも知れない。

これらの艦で固定翼機を運用するには機種を選定しないといけないのだが、F-35の他にはこれと言った候補がない。AB-8Bをライセンス生産して改良すればという意見もあるが、AAM4とAAM5の運用能力を与えれば局地制空には十分だろうし、それも悪くない選択だろう。F-35にしても航空自衛隊が装備して運用すればそれも選択肢の一つだろうが、価格が170億もするのではこれももんだいがありそうだ。当面はヘリのみの運用だろうが、将来固定翼機の運用が議論されるようになるだろうことは間違いない。その時も海上自衛隊は無言で強かにこの問題をクリアして見せるのだろうか。

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