通称「22DDH」の予算が成立した。国会承認が必要だが、これは多数を占めている民主党の議決で決定することは間違いない。今回の予算はずい分問題が多いが、「22DDH」の予算が成立したことは日本の海上防衛には画期的なことだろう。

基準排水量19,500トン(満載排水量では27,000トン程度か)、全長248メートル、搭載航空機14機という性能は世論を考慮して割り引いているのだろうが、実質的には軽空母そのものだろう。固定翼航空機の運用は考慮されていないというが、その気になれば短期間の改修で可能だろうし、海上自衛隊が固定翼の戦闘機を保有しなくとも航空自衛隊が保有していれば空母を基地として運用することは十分に可能だろう。日本が遠隔地まで足を伸ばすことはないだろうから、離島防衛など近距離、短期間であれば問題はないだろう。

「22DDH」は給油能力も持つということだから燃料も心配はない。格納庫の広さというが、米国、英国、フランスその他空母保有国でも露天で運用しているのだからこれも問題ないだろう。弾薬庫や補給品、部品庫なども戦闘艦なので弾薬保管庫はあるだろうし、その他の補給品は運用部隊の航空自衛隊に任せればいい。問題なのは船に不慣れな航空自衛隊員の船酔いだろうか。

しかし、これまで何十年も空母、原潜にあれほどアレルギーのあった日本であれよあれよという間に空母型の大型艦が3隻も予算化され、実現したものだ。「くらま」の代替艦である「24DDH」の予算化ももう間違いないだろう。「ひゅうが」、「いせ」は固定翼機の運用にはやや問題はあるだろうが、ほとんど英国のインビンシブル級に匹敵する艦だからこれもその気になれば固定翼機の運用は可能だろう。

これまでは海上自衛隊はほとんど対潜艦隊として機能して来たが、この4隻の就役は海上自衛隊の能力、戦術、運用方法を根本的に変えるだろう。限定的であっても制空能力があるとないでは作戦は全く異なるだろうし、手を出す方にしても相当な覚悟が必要だろう。本土から離れた離島を数多く領土に持つ日本には限定的ではあっても移動基地としての航空機運用艦は絶対に必要だろう。そうすればF-35を40機程度導入することも、それがSTOVL型であるなら、なるほどと思えるのだが、・・・。

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