宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4基のエンジンのうち3基が停止し、地球に戻れない可能性があるとしていた小惑星探査機「はやぶさ」の停止していた2基のエンジンの機能を組み合わせ、始動することに成功したという。

JAXAは停止していたAとB2基のイオンエンジンの故障した部分が異なることに着目し、1基のエンジンの中和器に別の1基の「イオン源」を組み合わせることで1基分の推進力を得ることに成功した。引き続き慎重な運用が必要となるもののこの成功で予定通り来年6月に地球に帰還できる見通しが立ったという。はやぶさは現在地球から1億6千万キロの宇宙空間を飛行中とのことである。

満身創痍で地球帰還を目指す「はやぶさ」だが、今回のエンジンの故障はは致命的と思われたところJAXAは何とか知恵を絞って2基目のエンジンの再始動に成功した。こうした技術は長い間の研究開発の積み重ねの賜物で技術は一朝一夕では成り立たない。

独自の技術を持つということはその分野で主導的な立場を確保出来るということだ。これを他国の技術に頼っていては常に制約がつきまとい自由な活動は覚束ない。終戦後、ほんの7年間航空機の研究開発を禁止されたことが未だに尾を引いて欧米のそれにまだ追いつかないことを考えて見れば良い。先端技術というものは次の世代への大きな財産となる。資源のない日本では技術だけが国を支える重要な財産だ。

国の事業の中には確かに効果の少ない無駄なものがあるかも知れない。しかし政権が変わったからといって前政権の政策はすべて効果のない無駄なものというのは何とも乱暴な理論だろうし、自分達の政策がすべて効果的な良い政策というのはもうその時点で間違っている。

自分達の主張を目立たせるためのパフォーマンスも政党の施策としては否定はしないが、そんなことばかりしているよりももっとやらなければならない火急の対策があるだろう。もう少しものごとを客観的に判断して何をやるべきなのかを考えた方が良いだろう。

これまでも少ない予算で努力を続け、日本の宇宙開発、飛行制御技術をここまで高めて来たJAXAに大いに敬意を表したい。「はやぶさ」の予定どおりの無事な帰還を祈っている。

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