米国市場の強い動きを支えに日経平均株価も反発が期待されたが、日経平均は1万円を回復することが出来ず、週末にかけての下げによって最近の底値を更新しそうな展開だった。企業の決算発表が続くなか、増資発表が相次いでおり、これが需給圧迫要因として悪材料視されているようだ。また政策不透明感が強く日本国債の格下げへの警戒から円高傾向が強まったことも嫌気されているようだ。

政権が変って方向性が変る部分も当然あるだろうが、何でもかんでもすべてを変えようとして政治の空白を作るのは利口な者のやることではないし、責任政権としてもどうかと思う。変えるべき政策と変えてはいけない政策、時間をかけるべき政策と迅速な実行を必要とする政策、そういうものをしっかりと見極めたうえで実行して行かないと空白ばかりが目立って信用を失いかねない。鳩山政権はその辺りを良く考えるべきだろう。

伸びる中国の経済指標の発表も手掛り材料としては動きが限られていた。オバマ米大統領の初来日も総花的な言葉のやり取りで終わり、これと言った材料も出なかった。却って普天間問題などはさらに込入った状況になりそうだ。

先週は後場に入ると弱含む流れが続いたが、これも参加意欲を後退させた。先行き不透明で相場全体がこう着感を強めるばかりのようだ。日経平均はひとまず直近安値近辺で下げ止まっているが、この先もっと下げても不思議ではない状況だ。底を打ったと意識させるにはそれなりのきっかけが必要だろうが、三菱UFJによる決算発表で何かしらの動きを期待したいところのようだ。

しかし本格的な反発はどうも期待薄だろう。全く茶番のような政府の事業仕分けで薬価引き下げ観測が強まり薬品株の急落につながるなど、民主党政権の政策動向は方向性も実効性も不透明感が強く国内機関投資家の売り越し基調も続いているようだ。海外の評価もクレディ・スイスが日本株比率をニュートラルに引き下げるなど市場からの海外資金流出も警戒される。いい加減もう少し総括的な経済政策を考えないと主要国の経済が回復蛍光に向かう中、この国の経済だけが取り残され、市場も閑散とした状態になりかねない。

そんな状態で今週の上値は、9,900円台、底は9,600円を割り込むと言うことがあるかも知れない。国政の運営には強かさもえぐさも必要と思う。美辞麗句と情緒だけでは何も生まれない。国全体がそんな方向に向かっていることは危険な兆候かも知れない。

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