米CITグループ破たんが悪材料として下降傾向を辿った先週の日経平均だが、今週も方向感に乏しい見極め辛い相場展開となりそうだ。先週は一時9691.69円となり、10月6日以来の9,700円割れとなった。最近は米国との連動性が崩れ始めてNYダウが1万ドルを回復しても日経の反応は限定的だった。国内での政治運営が何とも危うい状態なので積極的な買いは二の足を踏んでしまうのだろう。10月安値と併せて二重底を形成しているが、そうかといって底打ち感も出ていない。個々の企業では決算の結果を評価した買いも出ているというが、全体を押し上げるには程遠く、継続性もないようだ。

日経平均は先週ダブルボトムを形成したが、当面底打ちを確認するためには1万円台を超えて回復する必要があり、NYダウとの連動回復が望まれる。しかし当面その可能性は低く大幅な反発は望めないだろう。

11月10日にガイトナー米財務長官、13日にはオバマ米大統領が初来日する。経済に関しては世界経済のバランスの取れた力強い景気回復に向けて協議するという。オバマ米大統領と鳩山首相との首脳会談は米軍普天間飛行場の移設など日米同盟の問題を抱えていて米国の日本に対する不信感が沸き上がっていることから良い話が出てきそうな雰囲気ではないだろう。話が合っているのは温暖化対策程度となるので環境関連などは一時的に買われるかも知れない。そんな状況で相場全体がこう着感を強めるようなら短期的、狙い撃ち的な取引が中心となるだろう。

結局徐々に民主党政権のちぐはぐバラバラな選挙に勝つためだけの政策が影響を投げかけてきたようだ。この先もこんな状態が続くと経済だけでなく国内政治、外交、安全保障など国家の根幹をなす政策もてんでんバラバラとなりかねない。友愛は情緒の概念だが、情緒では政治も外交も動かない。もっと強かでしなやかな対応が必要だろう。しかし日本人はその情緒が大好きだから困ったものだ。

そんな訳で今週の上値は1万円、底は9,600円程度だろうか。政治と同じでぶれるかも知れないが、大きく上にぶれることはないだろう。

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