コンテナー船と衝突して艦首を損傷した護衛艦くらまだが、その修理にはかなりの期間を要するようだ。今後損傷程度の調査をしないと分からないだろうが、あのクラスは艦首にバウソナーという大型の水中聴音機を装備している。これは多数の聴音素子を全周に組み込んだかなり複雑なものだが、これが損傷していると修理にはかなりの時間がかかるということらしい。
戦時ではないからまだ良いのだろうが、それでもはるなが退役してその代替のひゅうがは就役訓練中、一時は廃艦も健闘されたしらねははるなの電子機器を移設して火災から復活し、第三護衛隊群の旗艦として再就役しているが、11月4日から定期修理のために8か月間ドック入りするようだ。残るのは老朽化したひえい1隻になるが、これも来年1月に年次検査を受けるので年明けには作戦行動が可能なヘリ搭載護衛艦はなくなってしまう。
こんなことは想定外のことだろうが、イージス艦を旗艦としてその他のDDにヘリを2機搭載して凌ぐのだろうか。新型のいせは就役時期は平成23年ごろ、戦力化は24年になるだろう。22DDHは予定通り予算化されても就役が27年、戦力化は28年頃になる。24DDHは平成30年頃にならないと戦力化は出来ない。この辺りは今の状況では全くあてには出来ない。
火災で機能喪失したしらねにしても今回の事故で損傷したくらまにしてもベテランには違いないが、まだしばらくは海上防衛の中核として活躍してくれないと困る艦だろう。貴重なヘリ搭載護衛艦にこんな事故が相次ぐとやり繰り上手の海上自衛隊だから何とかするのだろうが、運用する側としては頭が痛いだろう。最近はソマリア沖の海賊対策など艦船の海外派遣が多い海上自衛隊だ。このままでは国際協力どころか日本の防衛にも支障が出て来そうな状況では海上自衛隊の幹部は頭を抱えたくもなるだろう。
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