先週の日経平均は、週初はそこそこ元気が良かったが、米国市場の不安定な値動きに影響されて週中には1万円の大台をあっさり割り込んでしまった。企業決算が本格化する中、様子見に引かれて動きづらい相場環境の中、ゴールドマン、モルガンなどから成長率見通しの下方修正が相次いだことが波乱要因となったようだ。結局、7-9月GDPは予想を上回り、週末に日経平均はなんとか1万円を回復しているが、反発力は弱かったようだ。

日経平均は週初の上昇も上値が重かった。その後一気に下降して週末の反発で何とか1万円の底値をつけて踏み止まったが、今週はその1万円のラインを確保出来るかを見極めることになる。米国の下落の要因は、米ノンバンク大手CITグループの破たん懸念のようだが、総額55億ドルの追加融資枠を確保したほか、連邦破産法の適用を申請する見通しで、米GMに次ぐ市場5番目の大型破たんとなるようだ。これを受けてリーマン・ショック前の水準まで低下していた恐怖指数は、昨年7月以来の30ポイントを超えてきているという。

そのほか、今週は米国景気指標の発表が控えている。7-9月GDPは5四半期ぶりのプラス成長となり、リセッション終了との見方から超低金利政策の見直しなどの声明文が出てくるようだと円高修正の可能性はありそうだ。また6日に予定されている雇用統計は、失業率が10%の大台に乗る可能性があるなどその他の指標次第では不透明感を強めてしまうことも考えられる。

米国の景気が上向いても国内では政治運営リスクの影響から上値は狙い辛く各企業の決算内容を手掛りとした個別のトレードが中心となりそうだ。決算の結果が良い企業が狙い撃ちで買われるだろう。今週は5日にトヨタの決算が予定されているが、トヨタの動向は相場全体の方向を示す指標となるだろう。日経平均をみるとトヨタの営業赤字転落発表で下へのバイアスを強め、3月の生産圧縮緩和発表で底値をつけて8月の第1四半期発表でピークを形成した。日経平均は、トヨタの決算次第で上昇下降の傾向を明らかにするかも知れない。

そのほか、来週12日にはオバマ米大統領が訪日する。普天間移転など外交音痴の民主党による国際信義を問われそうな問題もあるが、市場の材料としては、二酸化炭素削減に向けた環境産業に関連した内容も持ち出されるだろう。そんな訳で米大統領訪日が近づくにつれて環境産業関連が注目されるかも知れない。また13日にはメガバンクの決算が予定されている。メガバンクが持ち直せばまた株価の動向も変化が見られるかも知れない。

それにしても政治が不透明な状況は変らないので株価が大きく上向くことはないだろう。赤字国債などをどの程度抑制出来るかも今後の経済の状況には一つの材料となるだろうが、これも経済音痴で庶民票に頼らざるを得ない民主党ではあまり期待出来ないだろう。

そんな訳で今週の上値は、良くて10,400円程度、底値は1万円で踏み止まれるかというところだろう。

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