今週、一つの焦点は臨時国会だろう。その国会と相場との関わりは、政権公約と現実ということだろう。現実という意味は二つある。一つは公約実行の手順、もう一つは政治的理想とそれを取り巻く現実ということになるだろう。

民主党政権は独自の政権公約を掲げて選挙に勝利した。それを選んだのは主権者たる国民であることは間違いない。何もなかったことをいきなり持ち出してやっているわけではない。この意味では誠実なのかも知れない。公約を実行することは強い意志に裏打ちされた実行力が必要なことも分かる。しかし、やはりこれまでの筋道を変えるためには強引であってもそれなりの説明を十分する必要があるのは言うまでもないことだ。国民は何も分からずに主に従属しているわけではないのだからトップダウンも程度問題だろう。

この1ヶ月を見ていると民主政権のやり方はどうも強引さばかりが目につくようだ。公約を掲げて選挙に大勝したのだからやるのは当然だ、やり方にケチをつけるなというのが理にかなっているのだろうか。自民政権が談合的・利権的だったとすれば、何が何でも公約を実行す使用とする民主政権は、原理主義的、強権的に見える。何のための公約で誰のためにやるのか、それが一番大事なことなのだろうが、まあ、それも国民が選んだのだから。

民主政権は、自民政権において生じた弱者の救済を声高に叫んで政権を獲得した。それが目玉の政策である。今の政治は家計救済・弱者救済でもある。戦術では相手の弱点を突くのは極めて有効な戦法だから自民政権が批判された弱点の格差問題を突いた戦いは正しかったのだろう。そこには名軍師が裏で糸を引いていたのだろう。しかし、民主政権が長く政治を担当しようと思うならもっと広く国民の声を聞かないといけないだろう。それをしないと「一度だけ政権を取らせてください」の連呼が本当に一度だけになってしまうかも知れない。

これから年末に向け倒産・失業の問題が出てくる。金融恐慌以来既に発生している失業をどうするか。今後失業を増やさないようにはどうするか。弱者救済・家計支援だけで経済活動が活性化して雇用が生まれるだろうか。弱者に一定の支援は必要だろう、それは否定しないが、日本は資本主義社会で資本主義は市場原理が原則だろう。弱者すべてが強くなって社会を盛り返すにはそれなりに時間がかかるし、家庭が元気になっても家庭が雇用を生むわけではない。日本を活性化させるには経済活動を主導するエースが必要だろう。

特に景気・企業業績は『二番底』不安にこう着している。もしも自民政権のような市場原理主義による勝ち組を作りたくないと思っているようでは日本の経済は沈没してしまうだろう。社会の問題には前政権の責任もあるだろうが、少なくとも景気・企業業績が振るわなくなればそれは間違いなく民主政権の責任だろう。経済は生き物でしかも他国のそれとも複雑に絡み合っている。暢気に構えている暇はない。今後の相場は民主政権が「景気の二番底」を防ぐことができるかどうかを注視しているだろう。

まあ今後の景気は新政権次第だろうが、多分ダメだろう。ブルジョアのボン首相には生き馬の目を抜くような経済の機微は分からないだろう。今後巨額の累積赤字は益々膨らんで経済は萎むだろうが、それも主権者たる国民の選択だから止むを得ないだろう。

そんな訳で今週の上値は、10,500円の下程度、底値は1万円辺りというこう着相場が続くだろう。底は1万円を切るかも知れない。

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