羽田空港を国際ハブ(拠点)空港化するとの前原誠司国土交通相の発言をめぐり、成田空港の周辺自治体でつくる「空港圏自治体連絡協議会」(会長・小泉一成千葉県成田市長)の臨時会が13日夜、成田市役所内で開かれた。小泉市長は冒頭、同日午後に前原国交相から「説明が足りなかった。羽田空港のハブ化は成田の国際便を羽田に持っていくものではない」と電話で話があったことを報告。しかし会合では「成田のことをもう少し勉強してから発言してほしい。極めて遺憾」(芝山町長)など批判が続出した。

今度は羽田のハブ空港化問題、どうも民主党は唐突に物を言い出す癖があるようだ。羽田の国際空港化復帰は基本的には良いことだと思う。D滑走路が完成すれば3000メートル級滑走路3本、2500メートル級滑走路1本と日本でも最大規模の空港となる。また24時間の運用が可能な国内でも数少ない空港で東京都内にあり足の便も良い。国内線に限らず関西空港と共にもっと有効に活用すべきだ。

成田空港は未だに主滑走路1本と補助のような2180メートル滑走路1本の変則運用が続いている。本来の4000メートル級滑走路2本、横風用の2500メートル級滑走路1本の完成は何時になるのか見当もつかない状況でまた24時間の運用にも問題がある。羽田を国際線、国内線共にハブ空港として活用すべきと言うのは日本の国際的地位や経済などを考えれば当然の帰結だろう。

問題はその持ち出し方だろう。八場ダムもそうだが、何よりも内輪の結束や和を尊ぶこの国の国民の感情を逆なでばかりしている。何しろ国内の和を保つために全く勝算のない戦争を始めてしまうような国なのだから。方向は決まっているにせよ、少なくとも議論の場を持ってからある程度の合意の上で決めるべきだろう。政権を取って権力の座に着いたからといって何でも思い通りに出来るわけでもない。政策は政策、その実行とはまた別の問題だろう。

経済にしろ内政にしろ権力機関が言い出せばそのとおりになると言うものではない。もしもそれが出来るのなら成田空港はもうとっくに本来の姿で完成して運用されているだろう。その他の公共事業にしても何十年もの年月がかからずに終了しているだろう。国家の権力が弱いと言うことが良いことなのか悪いことなのかこれも功罪さまざまあるだろうが、言い出す側はその辺りを考えながら発言しないといけない。また国民の側も国家の権力が弱いことを楯にとってゴネまくるのもどうかと思う。何を言ってもどんなことをしても強制と言うことがほとんどないこの国に生まれたことを感謝すべきなのかも知れない。

それにしてもこんな唐突なことばかりしていると国家の政策は何も進まなくなってしまう。掲げた政策とそれを実行することとはまったく別のことと思い直して腰を据えてじっくりと取り組むことも必要だろう。政権についたらとずっと暖めて忍んで来た政策は山ほどあるのだろうが、どう実行に移すかはよく考えるべきだろう。あまり唐突で強硬な発言を繰り返すと首相が国土交通相はハブ空港化とは言っていない。羽田を拡張し、国際的な空港とするのは既定路線だが、成田や関空を重視しない、という発想ではないなどと慌てて発言を修正することになる。こんなことを繰り返していると製作がみんな暗礁に乗り上げて政権の命取りになりかねない。

しかし羽田の国際化全面復帰とハブ空港化は必要で正しい選択だろうとは思う。

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