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【MRJ】

三菱重工業(三菱航空機)は、国産初となる小型旅客機「MRJ」の仕様を一部変更すると発表した。主翼材料を従来の複合材料からアルミに変更するほか、航空各社の意見を取り入れ、客室空間を広げるなどより競争力の高い機種にしたうえで市場に提供するという。

MRJは、優れた燃費性能や低騒音などの環境性能の高さに加えて次世代エンジンの搭載で経済性にも優れるなどの利点を持ち、世界各国の航空各社の関心を集めている。ただ、競合他社と激しい受注合戦を繰り広げる中、スケジュールが多少後ずれしても、より競争力のある機種に仕上げたうえで市場投入した方が、結果的により多くの受注につながると判断した。

今回の仕様の変更は、

客室空間を広げるため床から天井までの高さを従来比約3.8センチ高くし、客室内の荷物収納スペースも容量を同12%増やし、大型のキャリーバッグでも収納できるようにする。

貨物室も従来は前方と後方の2カ所に設ける計画だったが、後方1カ所に集約することにした。これにより貨物室のスペースが広くなるためバッグの積載個数が増え、作業性が向上する。

主翼材料を現状では補強財などを使用すると重量がかさむ複合材からアルミに変更し、軽量化を図る。

という。

MRJはYS-11以来40年ぶりの日本の独自開発小型旅客機だが、全日空が25機を発注した後は政府が10機程度を購入することを検討している程度で正式な受注はない。このクラスの座席数が70~90席程度のリージョナルジェット機は、欧米などで多くの新規需要が見込まれているが、カナダのボンバルディアとブラジルのエンブラエルの独占状態で、さらに新規参入の三菱航空機や中国、ロシア企業など競争が激化していることから競争力を高めるために欧米で需要が高い100席クラスの投入も検討していると言う。

【H2Bロケット】

また、明日は、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターで、国産の新型ロケットH2B1号機を打ち上げる予定だ。ロケットには国際宇宙ステーションに物資を運ぶ日本初の無人補給機「HTV」を搭載している。

HTVは全長約10メートル、直径約4メートルの円筒形。食料、衣類、実験材料やISSの日本の実験棟「きぼう」に設置する大気観測装置なども搭載すると総重量は約16.5トンにもなる。米国スペースシャトルが来年退役するとISSに大型機材を運ぶ唯一の輸送手段になるという。

HTV打ち上げ用のH2BはJAXAと三菱重工業が共同開発した全長約56メートルのロケットで既存のH2Aロケットの第1段ロケットを2基搭載するなど発展改良して大型化し、打ち上げ能力を1.4倍に高めたものだ。機体はすでに発射台に移動を完了して燃料の充てんなど、打ち上げの最終準備に入っているという。

こうした宇宙開発や航空機産業は高度な先端技術を必要とし、後発国が容易に追いつくことは難しい上、産業としての裾野が広く多くの企業を活性化させることが出来る。高度先端技術立国を目指すべき日本には打って付けの分野だ。将来の日本の発展のためにも是非とも成功してほしい注目のプロジェクトと言えるだろう。

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