麻生首相と民主党の鳩山代表は2日、街頭演説を行い、衆院選に向けて支持を訴えるとともに相手のマニフェストをめぐって激しい批判を繰り広げた。首相は名古屋市での演説で、政府・与党による一連の経済対策の効果を強調した上で、「景気対策は道半ば。一層、景気を上げていくことを考えていかねばならん」と引き続き政権を担う決意を示した。さらに民主党が政権公約に盛り込んだ子ども手当や高速道路無料化に言及し、「聞こえはいいが、お金はどこから出てくるのか。もう少し落ち着いて考えてもらえば全く根拠がないことが理解してもらえる」と強調した。この日は愛知県内の5カ所で演説し、海部俊樹元首相の事務所開きにも出席した。

一方、鳩山氏は千葉県内の4選挙区でマイクを握った。四街道市では民主党の公約に財源対策を明記したことを説明し、「自民党のマニフェストにはそういうものがなかった。民主党を批判しながら結局自分の方が財源の手当がまるでないことが明らかになった」と皮肉った。また、首相が支援団体回りを続けたことを取り上げ、「業界団体へのお願いが国民に政策を訴えることよりも先にあったのは、まさに既得権に守られた政治を続けようという政治にほかならない」と指摘した。

どうもどちらも政権欲しさに目先のバラ撒きばかりを強調しているが、そうしてばら撒いた後に来るのは財源だろう。900兆円近い借金を抱えてここでまた政権のために金をばら撒くのだろうか。こんな政治家ばかりでは日本は本当に救われない。財政問題にしても外交にしても今後の経済対策にしても環境問題にしてももっと考えるべきことがいろいろあるだろう。

高速道路の無料化などとこれなどは最も無駄な話だ。せっかく巨費を投じてETC設備を開発し、公団も民営化されて高速道路は少し賑やかになって来た。これから先は企業の経営努力に任せれば良い。今更お上が無料化などと首を突っ込む問題ではない。設備を撤去するのに金をかけ、道路の維持補修に金をかけ、借金返済に金をかけ、そして政権が変わったらまた新たに設備を整えるのか。何ともバカな話だ。もっと他にも金を使うべきところがいろいろあるだろう。

この国は明治維新後にそれなりに忍耐して世界に伍するまでに国を豊かにして来た。最後は方向を間違えたが、その努力は評価されるべきだろう。そして太平洋戦争に完膚なきまでに敗れてすべてを失い、またそこから世界でも有数の国家へと返り咲いた。これも十分に評価されてしかるべきだろう。しかしこの先はもう一時期の高度経済成長などは望めない。成熟した国家として穏やかな歩調で先へ進んでいかなければならないだろう。

この国は確かに国家としての曲がり角に差し掛かっている。しかし生活が苦しいなどというが、それは世界でも有数の豊かな生活をしている上でなおその上を求めようとするからではないのだろうか。社会的な弱者は確かに手を差し伸べるべきだろうが、普通に生活出来る人たちはお上に頼らずに何を優先するかをよく考えた生活をして行くべきなのだろう。

今何かを得ようとするよりもこの先この国をどうするのか、自分たちの子や孫といった子孫に一体どんな国を残せるのか、本当はそれを一番先に考えるべきではないのだろうか。どうもこの国の人たちは我慢ということを忘れてしまっているのかも知れない。

今の政界には高度に専門的な知識を持った本当の政治家がいない。悪代官風のおじさんやら猫娘ならぬ猫おじさんやらやぶ睨みのおじさんやら政権を取りたくて国民から集めた金で政権を買おうというような売込みばかりをしている。こんな政治家しかいない国の国民も不幸だが、日本人は窮地に陥ると意外に寄り添って知恵を出して我慢を続けて国を盛り立てて来た。今回もそうなることを期待したいが、どんなものだろう。

何でもお上がやってくれる時代は終わったのかも知れない。大体頼ってもろくな知恵も出ないようだから自分のことは自分で何とかする他はないだろう。まあ何を言っても話半分にも聞けない公約ばかりだが、一つだけ確かなことがある。政府は打ち出の小槌を持っているわけでもないし金が降って来るわけでもない。埋蔵金などは使ってしまえばそれまでで先細りだろうし、予算の組み換えと言ってもそんなことで恒久的に金が出てくるのなら今の政府や官僚も何とかしているだろう。大盤振る舞いも良いが、その後に来るのは増税しかないだろう。誰がなんと言ってもそれは承知しておくべきだろう。

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