北朝鮮のミサイル発射実験や核実験に背中に火が着いたのか、防衛計画大綱改定に動き始めたようだ。

(1)敵のミサイル発射基地を先制攻撃するための長距離巡航ミサイルの保有
(2)早期警戒システムの整備
(3)MDシステムの性能向上
(4)米国を狙った弾道ミサイルの迎撃など集団自衛権の容認

などがその主なものようだ。座して死を待つよりも攻撃で生き残る方策を整備するということのようだが、さすがにミサイルや核弾頭を突きつけられては口先平和などと暢気なことを言ってはいられないのだろう。

政府は敵基地攻撃は、敵のミサイル攻撃が確実な場合は憲法上許されるとするが、自衛隊は北朝鮮まで往復可能な戦闘機や長射程巡航ミサイルを装備していない。素案では弾道ミサイル対処で、ミサイル防衛システムに加え、「策源地攻撃が必要」と明記するようだ。そのために現在は装備していない米国のトマホークなどに代表される海上発射型長距離巡航ミサイルを今後整備すべき防衛力としているようだ。

ミサイル防衛システムでは自前の早期警戒衛星開発、PAC3より射程の長い「THAAD」システムの導入を検討するという。さらに公海上に展開するイージス艦の防護を目的とした公海上の自衛隊艦船・航空機への不法行動にも武器使用を容認することも検討していくようだ。

これも当然といえば当然のことで何を今更と言う感じがしないでもないが、相手はもうミサイルや核弾頭を保有しているのにこれから法制度を変更して装備を整備しようというのも何ともいただけない。ただし核ミサイルには通常兵器では対抗しようもないし、いくらMDを整備しても数発でも撃ち漏らせば尋常ではない大被害を生ずるのでそうなると核には核で対抗する以外にはなくなってしまうが、これはまず不可能だろう。

これまでは防衛と言うと神学的ともいえる観念論的な議論が主流だったが、脇腹に白刃を突きつけられるとそんなことも言っていられないだろう。どうするかは国民が選ぶことだが、何とも他力本願なこの国の国民だから米国頼みか、それとも結果を見てからわめき立てるのだろうか。

米国は武器装備の援助はするだろうが、殊更利益もないのに自国が被害を受けることを甘んじてまで日本を助けるとは思えない。日本は独力で対応せざるを得ないだろう。もしもお前の国が手を出したらその時はたとえ出血を甘んじてもただでは済まないぞという戦力を整えて相手に示すのか、どんな被害を受けてもそれを甘受して平和を唱えるのか、そろそろ日本も二者択一を迫られる時期が来ているのかも知れない。どちらにしても莫大な負担が必要だろう。

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