5月3日の深夜、実家の駐車場に車を置きに行った時のことだが、どうもその時に出たような気がする、あれが、・・・。うちの実家は住んでいるマンションと言う集合住宅から歩いて5分ほどのところにある一戸建て住宅で母親が施設に引っ越したので今は誰も住んでいない。そこには屋根付きカーポートがあるので車を置いているのだが、その日は車を使ったので深夜車を置きに行った。
実家のある一角は大通りから一本奥にある3.5メートルほどの路地に面したところで、決して田舎ではないのだが、もちろん都会でもなく元々半農半漁の庶民住宅で何代も前から代々同じ一族が住んでいるところだ。僕は大通りから実家のある路地に入って実家の前で車を車庫に入れるためにやや左に頭を振って車を停めようとした。その時向かいの家の角に背の高い女性が立っていた。
車のライトが照らし出したその女性は、背が高く白い襟のついた紺の和服に臙脂の袴と言う出で立ちで長い髪を後で束ねて手に白い袋を持っていた。見たことのない人だったが、顔が夜目にも白かったのが印象的だった。この時間に和服に袴とはずい分な服装だなとは思ったが、僕は何か催し物でも終わった近所の人がゴミを出しに来たのかと思ってさして気にも留めずに車をバックさせた。小さい車なのでさっとカーポートに車を滑り込ませて前を向き直るとそこには誰もいなかった。時間にすれば30秒も経っていなかったと思う。
「あれ、何所に行ったのかな」と思って車を降りて通りに出てみてから僕自身もゴミを出すためにゴミ集積場に行ったが、路地には右も左も人っ子一人いなかった。そして集積場にも何も置かれてはいなかった。さらにその近くには街灯があるのだが、何時もと違ってライトが点のようにぽつんと白く光っているだけで周囲は不思議なほど暗かった。実家の前に戻ってその和服の女性が立っていたところをよく見てみたが、もちろん誰もいなかった。その後、実家の周りをまわってみたが、何も変わったことはなかった。
話はこれだけでその女性が近所の人だったのかそうでなかったのかは結局分からなかった。翌日同じ時間にもう一度実家の前に行って見たが、特に変ったことはなく何も出なかったが、周囲は何時ものようにそれなりに明るかった。誰もいない実家に入るのはちょっと躊躇われたが、中に入ってすべての部屋を見て回ったが、何も変ったことはなかった。
僕は霊魂や幽霊などの類は一切信じないし、今も信じてはいない。しかし、あの女性は何だったんだろう。車の左前のフェンダーはその女性とは50センチも離れていなかったのでもっとよく見ておけば良かったと思う。残念なことをした。
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実家のある一角は大通りから一本奥にある3.5メートルほどの路地に面したところで、決して田舎ではないのだが、もちろん都会でもなく元々半農半漁の庶民住宅で何代も前から代々同じ一族が住んでいるところだ。僕は大通りから実家のある路地に入って実家の前で車を車庫に入れるためにやや左に頭を振って車を停めようとした。その時向かいの家の角に背の高い女性が立っていた。
車のライトが照らし出したその女性は、背が高く白い襟のついた紺の和服に臙脂の袴と言う出で立ちで長い髪を後で束ねて手に白い袋を持っていた。見たことのない人だったが、顔が夜目にも白かったのが印象的だった。この時間に和服に袴とはずい分な服装だなとは思ったが、僕は何か催し物でも終わった近所の人がゴミを出しに来たのかと思ってさして気にも留めずに車をバックさせた。小さい車なのでさっとカーポートに車を滑り込ませて前を向き直るとそこには誰もいなかった。時間にすれば30秒も経っていなかったと思う。
「あれ、何所に行ったのかな」と思って車を降りて通りに出てみてから僕自身もゴミを出すためにゴミ集積場に行ったが、路地には右も左も人っ子一人いなかった。そして集積場にも何も置かれてはいなかった。さらにその近くには街灯があるのだが、何時もと違ってライトが点のようにぽつんと白く光っているだけで周囲は不思議なほど暗かった。実家の前に戻ってその和服の女性が立っていたところをよく見てみたが、もちろん誰もいなかった。その後、実家の周りをまわってみたが、何も変わったことはなかった。
話はこれだけでその女性が近所の人だったのかそうでなかったのかは結局分からなかった。翌日同じ時間にもう一度実家の前に行って見たが、特に変ったことはなく何も出なかったが、周囲は何時ものようにそれなりに明るかった。誰もいない実家に入るのはちょっと躊躇われたが、中に入ってすべての部屋を見て回ったが、何も変ったことはなかった。
僕は霊魂や幽霊などの類は一切信じないし、今も信じてはいない。しかし、あの女性は何だったんだろう。車の左前のフェンダーはその女性とは50センチも離れていなかったのでもっとよく見ておけば良かったと思う。残念なことをした。
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