来週の東京株式市場も投資家の不安が揺らいで不安定な展開となるだろう。この先も不安を抱えた投資家はほんの少しの悪材料にも敏感に反応してパニック的な売りに走る可能性が捨て切れないだろう。それに加えて機関投資家の解約売りなどが入ると株価が大きく下げる局面もあるかも知れない。

来週の日経平均株価の予想レンジは、8千円から9200円程度か。

日経平均が7日に一時600円の大幅下落を記録した理由についてトヨタ・ショックは単なる引き金に過ぎないという見方もある。金融不安は明確な解決を見ず、景気後退懸念も強いなかで、多くの投資家は2番底があると考えているようだ。何かのきっかけで株価が下がり始めるとわずかでも下がり始めると不安が増幅してパニック売りに走る可能性がある。トヨタの業績下方修正はそのきっかけにすぎないというものだ。

各国の積極的な金融政策で融不安は後退したように見えるが、投資家の不安心理は根深く残っているのでこの先の業績悪化は織り込み済みとは言え、さらにその先は見方が大きく分かれており定まっていないことも相場が不安定な要因だろう。


米市場では全米雇用報告が民間部門雇用者数で15万7000人減と予想以上の減少となってから10月米雇用統計への不安が強まり、株価は5─6日の2日間で約1000ドル下落した。雇用統計の悪化はある程度織り込んだとの見方もあるが、悪材料が飛び出した時も耐えられるような安定した相場からは程遠いのが今の状況だ。市場は常に方向感を探りながらの展開で、雇用統計が想定範囲内であれば悪材料出尽くしで株価が戻る可能性もあるが、さらに悪材料が出れば一層の下落を招く可能性もあるだろう。

雇用統計が終われば大きなイベントは15日の主要20カ国・地域(G20)による金融サミットまで特にない。13日に開かれる準備会合などで、どのような政策が打ち出されるかが焦点だろう。マーケットでは新興国への資金供給策などが打ち出され、外貨準備不足などで苦しむ国のスプレッドが改善するようであれば、世界マーケット全体への好影響が期待できると期待されているようだ。


需給面では年末からみた45日前ルールにあたる15日が到来することが警戒されている。顧客からの解約請求に応じるためヘッジファンドの換金売りが出る可能性があるという。現状では売り買いはほぼきっ抗。どちらかに傾いていることはないと言うが、なりふり構わぬ換金売りが再び出るのかどうかが注目される。10月第5週(10月27日―10月31日)は信託銀行の売買が4040億円と大きく買い越しになり、リバランス目的の公的年金の買いが日経平均を2000円近く押し上げる大きな要因になったことを証明したが、それも11月第1週で一巡したとの見方があり警戒が必要だろう。

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