来週の東京株式市場は、今週に続いて米国を見ながら底を探る状況が続きそうだ。米金融安定化法案は下院で可決されたが、米雇用統計次第で、株価の展開はまた変ったものになるだろう。法案が可決されたことで東京市場もいったんは下値不安が和らぐとみられている。ただ、雇用統計では米景気の悪化が鮮明化していることから、戻りの上値は重くなりそうだ。
来週の日経平均株価の予想レンジは、1万0700円─1万1700円程度か。
焦点の金融安定化法案が可決されたことから、金融機関からの不良資産買い取りが可能になるなど金融セクターの安定に向けて一歩踏み込むことになり「市場の過度な不安がいったんは和らぐ。日経平均も多少の戻りはありそうだ」との声が上がっている。
しかし、不良資産の買い取り策の実効性に対する懸念は根強く「いずれ個別行への資本注入に踏み込まざるを得ないのではないか」との声も聞かれ、法案が成立したとしても道半ばとみる声が多い。10月中旬からはJPモルガン・チェースやシティグループなどの決算発表を控えており、金融セクターへの不透明感は当面払拭しきれないとみられている。
そしてさらに株価の上値を重くするとみられるのが景気への懸念だ。9月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数など、このところ経済指標の悪化が目立ち、「米国景気には急ブレーキがかかっている」ようだ。
このため、市場は3日に発表される9月の米雇用統計にも注目しているが、どうも9カ月連続の雇用減の見通しだ。新規失業保険週間申請件数(9月27日終了週)が7年ぶりの高水準になったことを受けて「雇用統計はさらに悪化する可能性がある。大きく予想から下振れると日米株価を圧迫しそうだ」との声も出ている。ただ、景気の悪化が意識されるのと同調して米利下げに期待も高まっている。これが実現すれば、株価下支え効果が期待されている。
悪化する米景気は企業業績にも反映されるとみられ、米企業の業績動向は日本企業の決算見通しにも影響しそうだが、このところ製造業を中心に米国の株は大きく売り込まれていて株価の点では業績悪化が明らかになった時点で逆に悪材料出尽くしになる可能性もあるという見方もある。
ヘッジファンドの資金繰りが大きく悪化するなど、海外勢が日本株を買う余裕をなくしている。市場では「海外勢からの投げが目立つ」との声が聞かれる。国内機関投資家は、下期に入っても慎重姿勢を崩しておらず、個人投資家は株価の下落でポジションが悪化しており、動きは鈍いままだ。
一方で、ソニーなど主力株のなかにもPBRが1倍を割れる銘柄がでてくるなど、バリュエーション面の割安感はますます強まっている。先行き不透明感が落ち着けば徐々に買いが広がる可能性もあり、「市場ではバリュエーションを意識して買い場を探す動きもでてきている。ベア・スターンズをにらんで急落した3月のような総悲観にはなっていない」との声もあるようだ。
結局、米国の動向を見ながら国内株の買い時や銘柄を探る動きが水面下で続いていて、これが何時表面に出てくるのかが一つのポイントだろう。しかしトヨタなど米国市場を主力とする輸出企業は回復が遅れるのではないかと思う。その辺りはゼロ金利販売などを打ち出した強かなトヨタの経営戦略に期待することとしよう。
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来週の日経平均株価の予想レンジは、1万0700円─1万1700円程度か。
焦点の金融安定化法案が可決されたことから、金融機関からの不良資産買い取りが可能になるなど金融セクターの安定に向けて一歩踏み込むことになり「市場の過度な不安がいったんは和らぐ。日経平均も多少の戻りはありそうだ」との声が上がっている。
しかし、不良資産の買い取り策の実効性に対する懸念は根強く「いずれ個別行への資本注入に踏み込まざるを得ないのではないか」との声も聞かれ、法案が成立したとしても道半ばとみる声が多い。10月中旬からはJPモルガン・チェースやシティグループなどの決算発表を控えており、金融セクターへの不透明感は当面払拭しきれないとみられている。
そしてさらに株価の上値を重くするとみられるのが景気への懸念だ。9月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数など、このところ経済指標の悪化が目立ち、「米国景気には急ブレーキがかかっている」ようだ。
このため、市場は3日に発表される9月の米雇用統計にも注目しているが、どうも9カ月連続の雇用減の見通しだ。新規失業保険週間申請件数(9月27日終了週)が7年ぶりの高水準になったことを受けて「雇用統計はさらに悪化する可能性がある。大きく予想から下振れると日米株価を圧迫しそうだ」との声も出ている。ただ、景気の悪化が意識されるのと同調して米利下げに期待も高まっている。これが実現すれば、株価下支え効果が期待されている。
悪化する米景気は企業業績にも反映されるとみられ、米企業の業績動向は日本企業の決算見通しにも影響しそうだが、このところ製造業を中心に米国の株は大きく売り込まれていて株価の点では業績悪化が明らかになった時点で逆に悪材料出尽くしになる可能性もあるという見方もある。
ヘッジファンドの資金繰りが大きく悪化するなど、海外勢が日本株を買う余裕をなくしている。市場では「海外勢からの投げが目立つ」との声が聞かれる。国内機関投資家は、下期に入っても慎重姿勢を崩しておらず、個人投資家は株価の下落でポジションが悪化しており、動きは鈍いままだ。
一方で、ソニーなど主力株のなかにもPBRが1倍を割れる銘柄がでてくるなど、バリュエーション面の割安感はますます強まっている。先行き不透明感が落ち着けば徐々に買いが広がる可能性もあり、「市場ではバリュエーションを意識して買い場を探す動きもでてきている。ベア・スターンズをにらんで急落した3月のような総悲観にはなっていない」との声もあるようだ。
結局、米国の動向を見ながら国内株の買い時や銘柄を探る動きが水面下で続いていて、これが何時表面に出てくるのかが一つのポイントだろう。しかしトヨタなど米国市場を主力とする輸出企業は回復が遅れるのではないかと思う。その辺りはゼロ金利販売などを打ち出した強かなトヨタの経営戦略に期待することとしよう。
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