麻生首相が所信表明で民主党に逆質問を投げかけたそうだ。
(1)国会での合意形成のルールを作る用意はあるか
何でも政府のやることは反対、反対では何の能もないとしか見えない。政権のための政党ではなく国家国民のための政党ではないのかと思う。誰のための何のための政治なのか、自党が政権を取れればそれで良いのかという思いは確かにあるだろう。
(2)20年度補正予算案に反対なら、財源を明示して独自の案を示せ
確かに口で言うだけなら何とも言えるが、怪しげなのは子供手当て、年金改革、高速道路無料化、医療改革などを増税もなしに予算のやりくりで21兆円を捻出するという理論。財源を問われても何とも言えず口ごもるのは確信がないからだろうか。政府は打ち出の小槌を持っている訳ではない。何所からか金が湧いて出るわけでもない。やり繰りで20兆以上の金が何とかなるなら現政府もとっくにやっているだろうと思うのだが。
基本的に自分の生活を守るのは自分の責任であってそれが第一義的に政府の責任というわけではないだろう。社会的な弱者の救済というのはまた話は別だが。個人も法人も社会に対する責任というものはあると思う。規制緩和が悪いというが、それを逆手にとって自己の利を図る法人企業が多いことも事実で社会的な格差が大きく生じたのもその辺りに大きな一因があったのではないだろうか。
右上がりの世の中が終わって社会を取り巻く環境が変化している時にはこれまでのものを作り変える必要もあるのだろう。この先この国をどの方向に動かしていこうとしているのかどの政党にしてもそのあたりが見えてこない。
経済というのはある意味生き物のようなもので上がる時があれば落ちる時もある。また今の経済は一国の環境ではどうにもならないものがある。莫大な金を投入するのなら話は別だが、限られた予算で手当てをしても落ちる時は落ちるだろう。落ちる時は仕方がないが次をどうするのかを考えながら金の使い道を考えるべきだろう。やはりそのためには日本の先端技術を磨く必要があると思うがそれは落ちるのが止まった時点からの話かも知れない。
(3)消費者庁創設のための話し合いに応じるか
これも消費流通を検証して生活の不安を除去するのは政府の義務だろう。ただし消費者庁というやり方が良いのか他に方法があるのかは議論の余地があるだろうが。
(4)日米同盟と国連のどちらを優先するか
これは国家の外交、安全保障という国の自存に関わる問題で慎重に議論する必要があるだろう。しかし現在の日本の国際的な立場はほとんど確定しているといっても良い。日米同盟を基軸とした安全保障と外交がそれだろう。経済も米国依存でほとんど国の存続を米国に委ねていると言っても良いほどで国内にも独立主権国家としてこれで良いのかと思えるほどの他国の軍隊が駐留している。
もう少し独自の外交を展開しても良いのではないかと思うが、現実問題として何かがあった時に国連と米国ではどちらが実行があるかと言えば米国だろう。侵略する相手によっては米軍は介入を渋る可能性もあるが、その時は日本国内に駐留する在日米軍構成員10万もある意味人質と思えば良いのかも知れない。
日本人は国連というと平和の象徴のように思いがちだが、国連は各国の利害を背景に手練手管で自国の利益を図る場であって必ずしも平和を希求する機関ではない。しかも常任理事国のうちの一国が拒否権を行使すれば何も実行性はなくなってしまう。国連が独自の強力な武力を保持していれば良いのだが結局国連軍というのは利害を背負った各国の寄せ集めに過ぎない。
(5)海上自衛隊によるインド洋での補給支援活動から撤退してもいいのか
これも難しい問題でどうすれば良いのかということにはいろいろと議論があるだろう。しかし、日本は米国を中心とする自由主義陣営にあまりにも深く組み込まれている。本当はそのような軍事にかける金を世界の貧困地域の復興発展にでも使えば良いのかも知れないが、主義主張や思想というものはそんなに簡単なものではない。
現場の継続が最も実行のある外交防衛政策だろうが、このままで日本の独立主権国家としての地位は何時まで経っても回復はしないかも知れない。国連中心主義は日本人には聞こえが良いかも知れないが、実効性に乏しいばかりでなく各国の利害の渦の中に巻き込まれる可能性もある。
武装中立という手もあるのだろうが、日本のような高度貿易立国ではなかなか難しいところもあるだろうし、それなりの軍事費が必要だろう。何と言っても自分の国は自分で守るという気概が必要だが、お上任せの意識の強いこの国では難しいだろう。
今回の民主党との選挙戦を意識した所信表明にはいろいろと意見があるだろうが、ねじれを利用して散々足を引っ張られた自民党の本音というところなのかも知れない。でも官僚の作文を寄せ合わせたような滑らかではあってもあまり内容のない所信表明よりも面白いのかも知れない。こうした奇策が今後の政局にどう出るか興味があるところだが、一時の社会党のような印象の民主党に政権を委ねるよりは今の自民党の方がまだマシなような気がする。
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(1)国会での合意形成のルールを作る用意はあるか
何でも政府のやることは反対、反対では何の能もないとしか見えない。政権のための政党ではなく国家国民のための政党ではないのかと思う。誰のための何のための政治なのか、自党が政権を取れればそれで良いのかという思いは確かにあるだろう。
(2)20年度補正予算案に反対なら、財源を明示して独自の案を示せ
確かに口で言うだけなら何とも言えるが、怪しげなのは子供手当て、年金改革、高速道路無料化、医療改革などを増税もなしに予算のやりくりで21兆円を捻出するという理論。財源を問われても何とも言えず口ごもるのは確信がないからだろうか。政府は打ち出の小槌を持っている訳ではない。何所からか金が湧いて出るわけでもない。やり繰りで20兆以上の金が何とかなるなら現政府もとっくにやっているだろうと思うのだが。
基本的に自分の生活を守るのは自分の責任であってそれが第一義的に政府の責任というわけではないだろう。社会的な弱者の救済というのはまた話は別だが。個人も法人も社会に対する責任というものはあると思う。規制緩和が悪いというが、それを逆手にとって自己の利を図る法人企業が多いことも事実で社会的な格差が大きく生じたのもその辺りに大きな一因があったのではないだろうか。
右上がりの世の中が終わって社会を取り巻く環境が変化している時にはこれまでのものを作り変える必要もあるのだろう。この先この国をどの方向に動かしていこうとしているのかどの政党にしてもそのあたりが見えてこない。
経済というのはある意味生き物のようなもので上がる時があれば落ちる時もある。また今の経済は一国の環境ではどうにもならないものがある。莫大な金を投入するのなら話は別だが、限られた予算で手当てをしても落ちる時は落ちるだろう。落ちる時は仕方がないが次をどうするのかを考えながら金の使い道を考えるべきだろう。やはりそのためには日本の先端技術を磨く必要があると思うがそれは落ちるのが止まった時点からの話かも知れない。
(3)消費者庁創設のための話し合いに応じるか
これも消費流通を検証して生活の不安を除去するのは政府の義務だろう。ただし消費者庁というやり方が良いのか他に方法があるのかは議論の余地があるだろうが。
(4)日米同盟と国連のどちらを優先するか
これは国家の外交、安全保障という国の自存に関わる問題で慎重に議論する必要があるだろう。しかし現在の日本の国際的な立場はほとんど確定しているといっても良い。日米同盟を基軸とした安全保障と外交がそれだろう。経済も米国依存でほとんど国の存続を米国に委ねていると言っても良いほどで国内にも独立主権国家としてこれで良いのかと思えるほどの他国の軍隊が駐留している。
もう少し独自の外交を展開しても良いのではないかと思うが、現実問題として何かがあった時に国連と米国ではどちらが実行があるかと言えば米国だろう。侵略する相手によっては米軍は介入を渋る可能性もあるが、その時は日本国内に駐留する在日米軍構成員10万もある意味人質と思えば良いのかも知れない。
日本人は国連というと平和の象徴のように思いがちだが、国連は各国の利害を背景に手練手管で自国の利益を図る場であって必ずしも平和を希求する機関ではない。しかも常任理事国のうちの一国が拒否権を行使すれば何も実行性はなくなってしまう。国連が独自の強力な武力を保持していれば良いのだが結局国連軍というのは利害を背負った各国の寄せ集めに過ぎない。
(5)海上自衛隊によるインド洋での補給支援活動から撤退してもいいのか
これも難しい問題でどうすれば良いのかということにはいろいろと議論があるだろう。しかし、日本は米国を中心とする自由主義陣営にあまりにも深く組み込まれている。本当はそのような軍事にかける金を世界の貧困地域の復興発展にでも使えば良いのかも知れないが、主義主張や思想というものはそんなに簡単なものではない。
現場の継続が最も実行のある外交防衛政策だろうが、このままで日本の独立主権国家としての地位は何時まで経っても回復はしないかも知れない。国連中心主義は日本人には聞こえが良いかも知れないが、実効性に乏しいばかりでなく各国の利害の渦の中に巻き込まれる可能性もある。
武装中立という手もあるのだろうが、日本のような高度貿易立国ではなかなか難しいところもあるだろうし、それなりの軍事費が必要だろう。何と言っても自分の国は自分で守るという気概が必要だが、お上任せの意識の強いこの国では難しいだろう。
今回の民主党との選挙戦を意識した所信表明にはいろいろと意見があるだろうが、ねじれを利用して散々足を引っ張られた自民党の本音というところなのかも知れない。でも官僚の作文を寄せ合わせたような滑らかではあってもあまり内容のない所信表明よりも面白いのかも知れない。こうした奇策が今後の政局にどう出るか興味があるところだが、一時の社会党のような印象の民主党に政権を委ねるよりは今の自民党の方がまだマシなような気がする。
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