来週の東京株式市場は、波乱含みとなりそうだ。米金融システム不安が根深いとみられていることに加え、世界的な景気減速への懸念が強く、原油価格の下落など好材料に対する反応も鈍っている。国内政局が事実上空転しているため、国内からの買い手がかりは期待しにくい。売買高が盛り上がらない中、米金融市場をめぐる材料に一喜一憂し、株価は不安定な動きが続くと予想される。
来週の日経平均株価の予想レンジは、1万1800円─1万2600円。
焦点となっているリーマン・ブラザーズ(LEH.N: 株価, 企業情報, レポート)救済の具体策がはっきりせず、市場は様子見姿勢を強めている。米ワシントン・ポスト紙(電子版)は11日、米政府がリーマンの会社売却について調整を行っていると報じた。それによると、財務省と連邦準備理事会(FRB)はリーマンを民間企業の連合体を通じて売却する方向で調整している。売却は今週末に完了し、15日のアジア市場の取引開始前に発表される見通しという。
連休明けの株式市場は、リーマンの売却先や救済策が決まれば、いったんは好感して株価も上値を試すことが予想される。しかし、投資家のリスク回避指向は容易に変わりそうもない。「リーマンの売却先が決まっても、これで米金融機関の問題は終わりかという疑念が残る。ヘッジファンドの解散に伴う資産売却や個人の追い証(追加担保の差し入れ義務)発生に伴う売りなど足元の需給懸念もある」とされ、積極的に上値を買うムードには転じにくい。
直近の経済統計にはさえない内容が多いほか、想定以上に円高/ユーロ安が進んでいることなどから国内の企業収益も足元で悪化しているとの観測が出ている。「中国向け輸出にもかげりが見えてきた。新興国の需要鈍化は気がかりだ。株式市場は7―9月期の減益を織り込み切れておらず、株価に下振れリスクが残る」と先行きを警戒する声も出ている。
自民党が総裁選に入っているため、政局は事実上空転。「早期の総選挙が予想されることを考えれば、政治の安定は先送りになる。国内からの好材料は出にくい」という。株式市場は引き続き米金融セクターにらみの展開になりそうだ。
16日以降のゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)、モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)など米投資銀行の決算では、減配や評価損拡大などが懸念材料になる。翌週はメリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)、シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)などの決算が続くため、「投資家の警戒姿勢は緩みそうもない」とみられている。
経済指標では15日に8月の米鉱工業生産、16日は8月の米消費者物価が発表される。16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では今のところ金融政策の変更はないとみられているが、声明文で経済成長の鈍化について懸念を強めているのか、あるいはインフレ上昇が主要な懸念要因であるのか、景気とインフレのバランスを見極めたい、という。「追加の流動性供給などポジティブ材料が出れば、株価は上昇するタイミングでもある」という。
国内では16―17日に日銀金融政策決定会合が行われる。白川総裁の会見(17日)が注目される。株式市場では9月中間期の権利付最終売買日を24日(25日に権利落ち)に控え、高配当銘柄を中心に配当取りの動きが出る可能性もある。
来週の株式動向は概ね下向きということだが好材料がない上に原油など商品市場の下落まで悪材料化してしまうような疑心暗鬼の中では株式市場は上向かないだろう。これまでと同様に一定のレベルを超えて落ち込めば買いが入りそこで値を上げればすぐに売りに回って利益を確定するという小刻みな上下を繰り返すのだろう。
値動きの幅は、
1万2400円から1万1700円程度
だろうか。下げ幅の瞬間最大風速は環境にもよるが5百円近いものがあるかも知れない。
いずれにしてもこの先近い将来情況が好転するとは思えないので週単位でなく三月、半年あるいは年レベルで株価は低迷する可能性が高い。そうすると投資家はじっと我慢で機を見て素早く売り解しては利益を確定するというスタイルを模索する以外にはないのだろう。
そして原油だが、
12日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、世界経済の減速でエネルギーや素材の需要が落ち込むとの懸念を背景に、米国産標準油種WTIの中心限月10月物が一時、1バレル=99.99ドルに下落し、取引途中としては4月初め以来約5カ月ぶりに100ドルの大台を割り込んだ。7月11日に最高値(147.27ドル)をつけてからわずか2カ月で3割超も下落。商品相場に資金をつぎ込んでいたヘッジファンドなどの投機筋が、相場急落で投げ売りを余儀なくされ、売りが売りを呼んでいる格好だ。同限月の終値は、前日比0.31ドル高の101.18ドルだった。
瞬間最大風速だが遂に1バレル100ドルを割り込んだ。終値では辛うじて100ドルを保ったがこれもこの先どうなるか分からない。原材料が金融商品化してしまったので適正価格というものは意味をなさないが、需要と供給を考慮した今の原油の実質的な適正価格というのはどのくらいなんだろうか。ちょっと幅が大きいが1バレル80ドルから100ドル程度か。今の価格は概ね適正値に近づいて来たようにも思うがどうだろう。
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来週の日経平均株価の予想レンジは、1万1800円─1万2600円。
焦点となっているリーマン・ブラザーズ(LEH.N: 株価, 企業情報, レポート)救済の具体策がはっきりせず、市場は様子見姿勢を強めている。米ワシントン・ポスト紙(電子版)は11日、米政府がリーマンの会社売却について調整を行っていると報じた。それによると、財務省と連邦準備理事会(FRB)はリーマンを民間企業の連合体を通じて売却する方向で調整している。売却は今週末に完了し、15日のアジア市場の取引開始前に発表される見通しという。
連休明けの株式市場は、リーマンの売却先や救済策が決まれば、いったんは好感して株価も上値を試すことが予想される。しかし、投資家のリスク回避指向は容易に変わりそうもない。「リーマンの売却先が決まっても、これで米金融機関の問題は終わりかという疑念が残る。ヘッジファンドの解散に伴う資産売却や個人の追い証(追加担保の差し入れ義務)発生に伴う売りなど足元の需給懸念もある」とされ、積極的に上値を買うムードには転じにくい。
直近の経済統計にはさえない内容が多いほか、想定以上に円高/ユーロ安が進んでいることなどから国内の企業収益も足元で悪化しているとの観測が出ている。「中国向け輸出にもかげりが見えてきた。新興国の需要鈍化は気がかりだ。株式市場は7―9月期の減益を織り込み切れておらず、株価に下振れリスクが残る」と先行きを警戒する声も出ている。
自民党が総裁選に入っているため、政局は事実上空転。「早期の総選挙が予想されることを考えれば、政治の安定は先送りになる。国内からの好材料は出にくい」という。株式市場は引き続き米金融セクターにらみの展開になりそうだ。
16日以降のゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)、モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)など米投資銀行の決算では、減配や評価損拡大などが懸念材料になる。翌週はメリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)、シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)などの決算が続くため、「投資家の警戒姿勢は緩みそうもない」とみられている。
経済指標では15日に8月の米鉱工業生産、16日は8月の米消費者物価が発表される。16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では今のところ金融政策の変更はないとみられているが、声明文で経済成長の鈍化について懸念を強めているのか、あるいはインフレ上昇が主要な懸念要因であるのか、景気とインフレのバランスを見極めたい、という。「追加の流動性供給などポジティブ材料が出れば、株価は上昇するタイミングでもある」という。
国内では16―17日に日銀金融政策決定会合が行われる。白川総裁の会見(17日)が注目される。株式市場では9月中間期の権利付最終売買日を24日(25日に権利落ち)に控え、高配当銘柄を中心に配当取りの動きが出る可能性もある。
来週の株式動向は概ね下向きということだが好材料がない上に原油など商品市場の下落まで悪材料化してしまうような疑心暗鬼の中では株式市場は上向かないだろう。これまでと同様に一定のレベルを超えて落ち込めば買いが入りそこで値を上げればすぐに売りに回って利益を確定するという小刻みな上下を繰り返すのだろう。
値動きの幅は、
1万2400円から1万1700円程度
だろうか。下げ幅の瞬間最大風速は環境にもよるが5百円近いものがあるかも知れない。
いずれにしてもこの先近い将来情況が好転するとは思えないので週単位でなく三月、半年あるいは年レベルで株価は低迷する可能性が高い。そうすると投資家はじっと我慢で機を見て素早く売り解しては利益を確定するというスタイルを模索する以外にはないのだろう。
そして原油だが、
12日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、世界経済の減速でエネルギーや素材の需要が落ち込むとの懸念を背景に、米国産標準油種WTIの中心限月10月物が一時、1バレル=99.99ドルに下落し、取引途中としては4月初め以来約5カ月ぶりに100ドルの大台を割り込んだ。7月11日に最高値(147.27ドル)をつけてからわずか2カ月で3割超も下落。商品相場に資金をつぎ込んでいたヘッジファンドなどの投機筋が、相場急落で投げ売りを余儀なくされ、売りが売りを呼んでいる格好だ。同限月の終値は、前日比0.31ドル高の101.18ドルだった。
瞬間最大風速だが遂に1バレル100ドルを割り込んだ。終値では辛うじて100ドルを保ったがこれもこの先どうなるか分からない。原材料が金融商品化してしまったので適正価格というものは意味をなさないが、需要と供給を考慮した今の原油の実質的な適正価格というのはどのくらいなんだろうか。ちょっと幅が大きいが1バレル80ドルから100ドル程度か。今の価格は概ね適正値に近づいて来たようにも思うがどうだろう。
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