来週の東京株式市場は、強もちあいが想定されている。原油価格の下落や政府が実施する総合経済対策などから下値不安が薄れ、相場は底堅くなるとの見方が広がってきた。しかし、米国の金融不安など環境面は完全に楽観でききないうえ、米雇用統計などイベント控えに伴う見送り気分の支配、ラマダンによるオイルマネーの動き鈍化が観測されることなどから、引き続き商いは盛り上がりを欠く状態が続くとみられ、上値も限定的とみる関係者が多い。

来週の日経平均株価の予想レンジは、1万2900円─1万3350円。

週末の東京株式市場は日経平均が300円を超す上昇となり、底入れムードを強める動きとなった。市場では「米国の金融問題が小康状態を保っている上、原油価格の下落で景気後退懸念が後退。為替相場も落ち着いているため、打診買いを誘う状況になった」との声も出ている。

政府の総合経済対策については、即効性も含めてその内容がマーケットに与える効果について見方が分かれるが「中小企業への新たな信用保証制度の導入など、流動性を高める期待を抱かせる項目もあるなど、少なくとも売り材料にならない」という。環境面は改善しているため、再び大きく下値をたたくとの懸念が薄れつつある。そうした中、このまま相場全般が上値を追うか否かは「細っているマーケットのボリュームがいかに改善するかがポイントになる」という。

市場では「売る雰囲気がなくなってきたのは確かだが、積極的に買う材料も乏しい状態だ。日米ともに景気の先行きに対して楽観できる状態にはなっておらず、その点から投資家のマインドが盛り上がるとは思えない」との声が出ているほか「日経平均で1万3000円を超すと戻り売りが多く動きが重くなる。商いが薄い間は上値は限定的になりそうだ」との指摘もあった。タイムテーブルでは、米国において4日にISM(供給管理協会)の非製造業景況指数、5日には8月の雇用統計を控えており「目先的に市場のボリュームアップは期待できない」という。

週末の戻りも「テクニカル的なリバウンドの域を出ていない」との声も出ており「当面の相場は値固めとなるのではないか」とみる関係者が多い。9月相場は証券市場にとって鬼門と言われている。東証再開以降の統計によると、日経平均の9月月間の騰落は25勝34敗と大きく負け越しており、アノマリーで見た場合、1年の中で最もパフォーマンスが悪い時期だ。

また、9月1日から約1カ月はイスラム暦でラマダンとなる。日本株にオイルマネーの流入が顕著となった直近の3年、ラマダンの時期は「これらの資金を受託する欧州系の動きが鈍ると観測され、商いが減る傾向にある」という。商いの盛り上がりに欠くため「主力株は手掛けにくい状態が続き、物色面では相対的に材料株が優位になりそうだ」といった指摘もある。

不安のどん底は抜けたものの積極的に買いに走る状況ではないと言うことか。予想レンジは1万2900円から1万3350円と大分細かいが、ちょっと上が高すぎるんじゃないか。大方、1万2600円から1万3100円程度でまた株価が上がれば電光石火の利益確定売りが入って株価を落とすという展開になるだろう。

根本的に経済の退潮が根底にあるのだからこれが何とかならないと本格的な回復は望めないだろう。そんな状況だと周囲の環境や材料によっては株価を押し上げることもあるだろうが、その後はやはり利益確定売りが入って値を下げるだろう。

当面は政府の経済対策の効果や米国など外国諸国の経済状況を睨みながら株の売り買いが続くのだろうが、小刻みな上下を繰り返す状態が続き、大幅に続伸するような状況は望めないだろう。そんなわけで1万3千円超えが一つの山になるだろう。

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