国内乗用車メーカーの4─6月期決算が1日までにほぼ出そろい、残るは7日に発表するトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)のみとなった。市場の関心は、最大手のトヨタが通期見通しを下方修正するかどうかに集まっている。2008暦年の販売計画引き下げや、系列部品メーカーの業績下方修正、原材料価格の想定以上の高騰などトヨタが通期予想を引き下げる要因は少なくないが、為替が期初想定よりも円安で推移していることもあり、アナリストの見方は割れている。

トヨタ自動車グループの主要9社が4─6月期の決算を発表した翌7月31日、トヨタの株価は軟調に推移した。デンソー(6902.T: 株価, ニュース, レポート)とアイシン精機(7259.T: 株価, ニュース, レポート)、豊田自動織機(6201.T: 株価, ニュース, レポート)の中核部品メーカー3社が09年3月期の営業利益見通しを引き下げたことで、トヨタ自身も下方修正するのではないかという観測が市場に広がった。

トヨタ系の大手部品メーカーが4─6月期に通期計画を見直すのは初めて。デンソー幹部は「普通は第1・四半期では見直さない。トヨタの渡辺(捷昭)社長は『潮目が変わった』と言っているが、私は時代が変わったと思っている」と語った。

クレディ・スイス証券のディレクター・遠藤功治氏は、3社が業績を見直したことについて「トヨタも下方修正する、というシグナルだと思う」と分析する。その上で「系列の大手部品3社が下方修正しておきながら、トヨタ自身がしないと、世間から部品メーカー泣かせという非難を受けかねない」と指摘する。

トヨタが7月28日に引き下げた世界販売の見通しは08年暦年の計画だが、遠藤氏は09年3月期の年度計画についても、同程度の下方修正があると予想する。金額に換算すると2000億─2500億円ほどだという。また、当初は2500億─3000億円程度で想定していた原材料価格の上昇も、1000億円程度の上振れが見込まれる。遠藤氏は「年間の販売計画を下方修正してトップラインが下がる一方、鋼材価格が想定以上に上がってコストが上昇しているわけだから、業績も下方修正の方向が自然」と語る。

一方、業績下方修正の可能性には懐疑的な見方もある。みずほインベスターズ証券のシニアアナリスト・河合敦氏は「暦年の販売計画は確かに強気だったと思うが、(09年3月期の)年度計画はすでに需要の減速を織り込んで立てていた」と言う。

トヨタが昨年末に発表した08暦年の販売計画は前年比5%増。しかし、5月に発表した09年3月期の年度計画は1.6%増に引き下げており、新たな暦年計画の1.5%増とほぼ同水準だ。UBS証券のシニアアナリスト・吉田達生氏も、年度の販売計画は大幅には引き下げないだろうとした上で、台数減のマイナスインパクトは、期初から円安で推移している為替で吸収されると見る。トヨタの09年3月期の想定レートはドル/円<JPY=>が100円、ユーロ/円<EURJPY=>が155円。1円の円安は、ドルで年間400億円、ユーロで60億円ほど営業利益を押し上げる。吉田氏は「現時点で通期の業績見通しを変えてくる可能性は低い」と語る。

ただ、トヨタが想定為替レートを大幅に変更してくるとは限らない。実際の為替が大きく円安に振れていても、会社側が前提レートを変えなければ、決算上は利益を押し上げない。ゴールドマン・サックス証券のアナリスト・湯澤康太氏はリポートの中で「仮に為替前提レートを100円とし、台数計画のみを修正する場合は、通期計画の未達リスクが高い」と指摘している。 

◎トヨタの09年3月期営業利益予想

会社側計画          市場予測*

 1兆6000億円       1兆7094億円

 *ロイターエスティメーツによる主要アナリスト19人の予測平均値

◎トヨタの世界販売計画

 08暦年(修正後)      08暦年(修正前)    09年3月期*

 950万台          985万台        906万台

 *中国の台数は含まれていない。

トヨタの通年見通しに注目が集まっているようだ。2008暦年の販売計画引き下げや、系列部品メーカーの業績下方修正、原材料価格の想定以上の高騰などトヨタが通期予想を引き下げる要因は少なくないという見方がある一方で、為替が予想よりも円安傾向で推移していることやすでにある程度の減益は折り込み済みという見方もある。

デンソー(6902.T: 株価, ニュース, レポート)とアイシン精機(7259.T: 株価, ニュース, レポート)、豊田自動織機(6201.T: 株価, ニュース, レポート)の中核部品メーカー3社が09年3月期の営業利益見通しを引き下げたことが、トヨタも見通しを引き下げるというサインだという考えもある。

しかし米国株安、このところ下げては来ているものの原油価格の高騰、原材料高、若年層の車離れなど自動車産業にとっては逆風が吹き荒れている状況ではある程度の引き下げも止むを得ないのではないだろうか。

中国、インド、ロシア、ブラジルなどの新興国での需要増とハイブリッド車増産など商品展開の切り替えによる効果もあるだろうが、それも急激な効果は見込めないだろう。ここは下方修正も止むを得ないのではないだろうか。

7日に発表されるトヨタの4-6月期決算に注目が集まっているそうだが、トヨタを主力としているとその決算と業績見通しにはやはり注目せざるを得ない。状況によっては株価4,500円割れなどという状況もあるかも知れないがそれも相場ならではのことだろう。トヨタのことだからまた新たな商品展開を考え出して復活してくるだろう。

ところでトヨタは1人乗り電動2輪車を開発しているようだ。1時間の充電で5-10キロ程度の走行が可能だとか。時速は5キロ程度なので路上というよりは空港や駅、大規模店などの歩行補助具という使い方がふさわしいようだ。取り敢えず中部国際空港で試験使用を行うようだが、商品化と販売については未定とのことだ。

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