来週の東京株式市場はもみあいの展開が予想されている。米国では金融不安が再燃して金融株が軟化。一方、原油価格の上昇が止まらず、資源を持たない新興国経済の減速が顕著となり、市場では不安心理が強まっている。

クレジット問題が目下の最大の関心事となっているだけに、来週予定されているバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の上院・下院での証言や、大手金融機関の決算を見極めたいという姿勢が強い。半面、米政府が住宅金融大手の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)の救済を検討しているとの報道を受け、米当局の対応には信頼感も高まっている。大手金融機関の決算を機に、いったんは反発するタイミングもあるとみられている。

来週の日経平均株価.N225の予想レンジは、1万2500円─1万3300円。

国内材料に乏しい分、米国を中心とする海外要因が引き続き注目を集めそうだ。ニューヨーク・タイムズ電子版は10日遅く、ブッシュ政権の複数の高官が、政府系住宅金融大手の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)について、問題が悪化すれば1社もしくは両社を政府の管理下に置く計画を検討していると報じた。

市場では「この2社は半ば公的機関のようなものだが、これを前例として投資銀行が破たん危機に陥った場合もなんらかの対応が出るとの安心感が広がる」との声がきかれた。一方で、「米国のクレジット機能が回復するまで、まだ時間がかかることも示唆している」(小川氏)という。

来週はバーナンキFRB議長が15日に上院銀行委員会で、16日に下院金融委員会でそれぞれ金融政策についての証言を行う。バーナンキ議長とポールソン米財務長官が下院金融委員会での証言で、ベアー・スターンズの救済につながったような問題から経済全体を守るため、投資銀行の監督においてFRBにはより強い権限が必要、との認識で一致していると述べるなど、「両人ともかなり警戒感を強めているなか、市場はFRB議長の上下院での証言に注目している」という。

17日にメリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)、18日にシティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)の決算が予定されている。市場では、損失拡大の規模が予想を上回る可能性も指摘されるが、「ファニーメイとフレディマックの救済検討報道で、仮に損失額が市場予想を上回っても米当局の救済が期待できるという空気となった」との声もある。「決算を通過すれば、いったん反発となるかもしれない」との見方だ。

一方、原油価格動向やペルシャ湾でミサイルを試射したと伝えられたイラン情勢などは、引き続き市場の混乱要因となりそうだ。

16日には6月米消費者物価指数が発表されるが、第一生命経済研究所の主席エコノミスト 嶌峰義清氏は「原油高を反映してCPIは上昇するとの予想だが、予想を上回る上昇率となった場合、インフレ懸念に焦点が当たるだろう。米利上げ論が再び台頭すれば、株式市場の下押し圧力となる」とみており、米金融機関の決算を通過して株価が反発した場合も、本格的な上昇基調に乗るかは不透明感が強い。

日経平均株価.N225は、4日にスターリン・ショックの1953年(5月21日から6月3日)以来となる12日続落を記録した後、いったん反発した。史上最長となる15日連続安には並ばなかったものの、12日続落が始まる前の6月18日から7月11日までで1500円近く下げた。しかし、反発のエネルギーには乏しく、年金とみられる資金の買いが散見されるほかは、国内株式の主なけん引役である海外投資家の資金流入はぱったりと止まっているようだ

財務省が10日に発表した6月29日─7月5日の対外対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)では、対内株式投資は1925億円の資本流出超と2週連続で売り越しとなった。「海外投資家は、これまでのアンダーだった日本株のウエートをニュートラルに戻してきた。

いったんは利益確定売りをするタイミングかもしれない」との声はあるものの、手控え気分は今しばらく続く可能性が大きい。米国の企業決算は、金融機関のほかにマイクロソフト(MSFT.O: 株価, 企業情報, レポート)やインテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)などグローバル展開の企業も予定されている。「サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に端を発した金融不安だけでなく、これらの一般事業会社の決算で米国および世界景気の減速を確認するような数字となれば、市場は敏感に反応するだろう」との指摘がある。

一方、「今回の12日続落の局面では小幅な下げの日が複数あり、セリング・クライマックスというよりは、ただ下げているベア・マーケットのようだ。海外投資家などのバーゲン・ハンティングを狙う資金は待機しているはずだ」との声もきかれた。

やはりネックは原油価格と米国経済、今回は政府系住宅金融会社のようだ。しかし、米国株価は週末に1万1千ドルを切って落ち込んでいるから週明けの株式市場は下落で始まるのだろう。

日本経済は緩やかな減速傾向と言うが、それほど悪いわけでもなさそうだ。しかし株の価格が日本経済の現状に見合わないのは評価が低すぎるのか、先行きに対する不安からだろうか。

外国資金の流入があるとも言うが、日本株はあまり旨味がないのだろうか。外国資金が入って来れば一旦は反発するんだろうが、結局は利益確定売りが入ってまた反落するのだろう。

来週の株価の予想レンジは1万3300円から1万2500円と言っているが、米国株が下がり続け、原油の価格高騰がさらに続けば1万2500円を切るなどという局面もあるだろう。しかしやはり底値は1万2500円付近か。しかしこれを割り込んでもおかしくはない。

しかし12日の連続続落でも傾向としては売りあぐみと買いあぐみがバッティングしているような状況で小幅に下げる場面が多かった。週明けの株式市場ではこれがはっきりとした方向性として出てくるか、それともまだこう着状態が継続するのだろうか。

個人的な予想としてはジリ貧が継続して膠着から小幅な下げが続きそうな気がするが実際の株式市場の動きはどうなんだろう。

日本ブログ村へ(↓)

https://novel.blogmura.com/novel_long/