米株の急伸を好感して後場中ごろまで大幅高を維持したが、大引けにかけて戻り待ちの売りに押された。日経平均株価は前日比19円03銭高の1万3052円13銭、東証株価指数(TOPIX)は同2.02ポイント高の1285.53といずれも小幅の反発にとどまった。

東証1部銘柄の46%が上昇し、下落は45%。出来高は19億6661万株、売買代金は2兆1369億円。東証の業種別株価指数(33業種)では、銀行業、不動産業、ゴム製品などが上昇。電気機器、非鉄金属、鉱業は下落した。

朝方は原油価格下落を好感した米株高などを受けて輸出関連株や銀行株を中心に大幅高で始まったが、午後は戻り売りが強まり、日経平均株価が前日終値付近まで押し戻されるなど上値の重さが鮮明になった。市場では「原油の値下がりで過度のインフレ懸念が和らいだにすぎない」と慎重な声が出ていた。

9日は原油安と米株高に加え、円安や5月の機械受注統計の上振れ、アジア株の軒並み高など、外部環境は良好だった。しかし需給面では、海外投資家の現物売りが止まらない上に、長期国債先物買い・株価指数先物売りなど悪材料が重なった。

後場中ごろ報じられたイランによる長距離ミサイル試射が地政学的リスクを連想させ、地合いを暗転させたとの見方もあった。

11日にはオプション特別清算指数(SQ)算出が予定されている。このため、外部材料とは無関係の先物の大口売買が相場のかく乱要因として警戒されている。

原油価格の下落と米国株高という追い風もさっさと稼いで利食いで売り抜けという手法に屈したのか。午後には売りが先行して終わってみればほんのささやかな反発に止まった。

やはり経済を取り巻く環境に相当の不安感を持っている投資家が多いということだろう。当分はこんな状態が続くのだろうが、1万3千円を切ってしまうとどっと株価が下がる恐れもあるのではないだろうか。
いずれにしても先の見えない混沌とした状況は今後も当分続くのだろう。

今日のトヨタは足踏みで終わった。三菱重工は何とかささやかに値を上げている。原子力発電を含め、環境産業はかなり強い景況があるのかも知れない。

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