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今回の防衛省前次官と山田洋行という商社の癒着はひどいものだ。夫婦ぐるみでゴルフ接待500回とか食事やクラブでの飲食などあんなことをしていて自分で一体何と思っていたのだろう。ちょっと聞いてみたい気がする。

高級官僚でバカじゃないのだろうからそうした接待が何を意味しているのか接待を受けながら相手に便宜を図ればそれがどういうことなのか分かっているだろうがどうしてそんなことをするのだろうか。

権力を握るとそういうことに感覚が麻痺してしまうのかそれともこの次官個人の感覚の問題だろうか。それにしてもこんなことが何度も繰り返されているのだから制度や仕組みの問題というよりも人の意識の問題なのだろう。

確かに戦闘機1機が100億とか護衛艦1隻1000億とか戦車1台10億と聞くと兵器の取引というのは莫大な利益を生みそうだが実際にそうなのだろうか。日本の兵器の価格は外国のものに較べて割高だというが。

航空自衛隊で使用しているF-15という戦闘機は米国で開発したものを三菱重工でライセンス生産したものだ。1機の価格がおよそ100億円で米国の価格に較べて2倍に近いそうだ。しかしこの価格には開発費負担費だのライセンス生産費などというものが含まれている。

その他にも三菱重工で生産するためにラインに必要な治具などのツールをそろえないといけないのでその分も含まれてくる。さらに年間10機程度の発注で生産効率が上がらないと単価はその分跳ね上がってくる。

国産兵器の場合はもっと悲惨だ。開発費が少ないのでその分は企業がかぶらないといけないらしい。それに加えて単年度契約の五月雨少数発注でラインは遊んでしまうが、生産には特殊な工具や技術が必要なのでラインも熟練工も生産が終了するまで維持しないといけないし、一般民生品への転用も出来ない。

一括発注という手もあるのだろうが予算の仕組みや出来るだけラインを維持したいという自衛隊側の思惑もあるようでうまくはいかないようだ。それでも緊縮予算の昨今防衛省や自衛隊も数年分をまとめて発注することを始めたようだ。

それでも90式戦車などは生産当初は1台11億円を超える超高価格戦車と騒がれたが最近では7億円程度に下がってきているのは企業努力や量産効果の賜物だろう。それでもある程度の数を作れる兵器は良いが、89式戦闘車のように毎年1台だけ発注などというとこれは手作り工芸品と一緒になってしまう。

企業の方も自衛隊からの発注は痛し痒しのところはあるようだがお上の御用で受注が安定していて一定の利益率を保証してくれる兵器生産はそこそこ魅力的なのだろう。

だからといって個人の金で買っているわけではないのだから発注に関しては厳格に適正であらねばいけないことは言うまでもない。兵器に限らずこの種の癒着は後を絶たないので政官業の担当者の意識の問題なのだろう。そして世界中何時の時代もどこの国も同じような問題が噴出すということはやはりこの種のことは人間の欲深さという業のせいのだろう。

だからこそ「義」という概念を堅持して自らが負うべき責任をしっかりと全うすることを心に念じていただきたい。公務員だけではなく誰もがその立場に応じた「義」を負っているのだから。

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