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海上自衛隊次期固定翼哨戒機の試作第一号機が初飛行したそうだ。背中の電子機器のドームや尾部の磁気探知機のブームがなければ旅客機と言っても見間違えそうなおよそ軍用機には似つかわしくないスマートで優美な外観をしたジェット四発航空機だ。

その初飛行の様子を防衛省技術研究開発本部のHPで見ることが出来るが、何だかその映像がずい分前に見た旧帝国海軍の四発陸上爆撃機「連山」の初飛行を思わせた。

太平洋戦争当時、アメリカは「B-17、B-24、B-29」などという四発の重爆撃機をいとも簡単に量産して戦線に大量に投入したが、日本はその四発陸上爆撃機を作ることが出来なかった。13試陸上爆撃機とか18試陸上爆撃機などを試作開発しようとしたが、結局技術が追いつかず、ものにならずに試作で放棄した。

その最後の試作四発爆撃機「連山」の初飛行の様子をYOUTOBEなど動画サイトで見ることが出来る。四発の優美な機体が四枚のプロペラを回し、いとも簡単に滑走路を蹴って空に舞い上がるところなどはP-Xの初飛行の様子と印象が良く似ている。

ただ、この飛行機はエンジンや過給機の製作に日本の当時の技術では手に余るものがあり、戦局の悪化による原材料不足がこれに拍車をかけ、四機だか六機だか試作機が製作されたところで開発は中止になった。

今回のP-Xはそれ以後日本が開発した初の陸上四発機になるのだろう。現在のレベルで見れば決して大型とは言えない飛行機だが、また日本も国産のジェットエンジンを使った四発航空機を開発出来るほどになったことは喜ばしいことだ。

願わくばこれをYS11の後継の旅客機にと思うが、それは素人考えで採算無視の軍用機を外観が似ているからと言って簡単に民間機に転用することは出来ないらしい。

もっとも実際にはやる気になればさほど難しいことでもないようだが、市場や販路の問題等難しい関門があるようだ。

YS-11の後継機には三菱がMRJという双発の小型旅客機を計画中というからこちらに期待したいところだが、これも開発については最終決定はないらしい。

少子高齢化、人口減少の日本がこの先目指すのは高度先端技術立国だと以前に書いたことがあるが、航空機などはナノテク、制御技術、半導体、ロケットなどと並んで有力な先端技術になる得るのだからもっと国が力を入れて育成すべき分野だろうと思う。

それにしてもH-2Aロケットの打ち上げや軍用にしてもP-X、C-Xという大型航空機2機種同時開発など日本の技術もなかなか捨てたものではない。

航空機はアメリカの専売特許的な分野で他の進出を許さないようなところがあるが、短期間で米国に追いつくのは無理だろうが、日本は独自の技術で市場の一端を占めることが出来れば大変結構なことだと思う。

http://www.mod.go.jp/trdi/topics/topics.html

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