これまでずい分いろいろな本を読んで来たつもりだった。確かに本の数だけは山のようにあった。ところが生活のスペースの問題で処分せざるを得なくなって来た。そこで最近は少しづつ片付けて古紙回収に出しているのだが、驚いたのはその読んで来た本の中身だった。

内容にしてもかなりまともな本を読んで来たつもりだったが、いざ捨てる際に内容を見ると呆れてしまうくらいくだらない本ばかりでこんなものを書斎を作って飾ろうとしていた自分がアホらしくなってしまう。しかも文庫本などの紙質の良くない本が大部分なので紙が焼けるは湿気でかびるはそれはそれはもう大変なものだ。

機会あるごとに少しづつ古紙回収に出しているが、本棚に何重にも重ねて積んであったので後から後から出てくること数限りないようだ。もう三分の二は捨てたがまだまだ山のようにある。これを買った値段に換算すれば結構な財産になるだろう。

しかし本当に書斎を作った時に飾れるような本と言えば漱石の全集と漱石関係の本、後は英国文学関係の本、それに昭和近代史関係の本、若干の美術関係の本と後はそこそこの作家の小説やエッセイくらいか。これで読書家を気取っていたのだから底が知れたものだと我ながら恥ずかしくなる。それでもいろいろと読み漁った収穫といえば文章を人並みに書けるようになったことくらいか。

今目の前に「つる姫」という漫画が11巻揃えて置かれている。これもずい分黄ばんでしまっているがこれはきっとずっと手元に残すだろう。くだらない漫画かも知れないがけっこう面白かった。漫画を読まなくなって久しいのでこの作者がどうしているか分からないがなかなかウィットのある人だったんじゃないかと思う。

これからも本は読み続けるだろうと思うが、読んだ本の大部分は手元に残すことなく読み終わったら捨ててしまうだろう。ほとんどが暇つぶしの読書でそれほど内容のある本は読んではいない。それに本は置き場所を確保してやるとあっという間に一杯になってそこから溢れ出すのだから。

それにしても活字離れが叫ばれて久しいが、本を読むことは良いことだと思う。大体本を読まないとまともな文章が書けなくなる。だからせめて絵よりも活字を主体とした本をせめて月に1、2冊は読むようにした方が良い。

置く場所がなければ読んだ後は古本屋に売り飛ばしてしまうか古紙回収に出してしまえばいいのだから。そうだ、人にくれてやっても良いかも知れない。読めば何がしかの知識も身につくではないか。だから少しでも本を読もう。大した本は読んでいないがそれでも本と共に生きてきた僕はやはり読書肯定派には違いない。