これまでずい分長い間タバコを吸ってきたが、今回禁煙をすることにした。命が惜しいとか健康のためとかそういう前向きの理由が優先したわけではなく、禁煙を決意させた一番の動機は「喫煙は病気です。」の一言だった。僕自身はさすがに喫煙が健康に良いとは思っていなかったが、それはそれ、嗜好の範囲という認識でそれが病気などといわれる理由など欠片もないと思っていた。

喫煙が病気なら飲酒も病気だろうし、エステや減量にはまり込んで抜き差しならなくなるなどそれ以外にも似たようなことがたくさんある。タバコも病気の原因という点では人を殺すかもしれないが、タバコばかりが肺がんの原因ではないという医者もいるし、酒のように積極的に人を殺すこともない。きれいに分煙をすれば受動喫煙も避けられるんだろうと思う。

それにしてもこのままタバコを吸っていては禁煙が絶対善という一派に対して文句の一つも言えないので癪に触るからタバコを止めてやった。だから禁煙が絶対善という一派に対してあまり良い子ぶるなと大いに文句を言ってやろうと思う。ここ数年世の中が強力な禁煙キャンペーンを張っている本当の理由は、メタボリック症候群もそうだろうが、保険医療費増加の抑制というのが大きな理由なんだろう。国民があまり病気になると医療費が増加して国庫が破綻するからこの際病気の原因となりそうなものは悪者にして排除してやろうというのが本音だろう。

ニコチンは覚せい剤よりも依存性が強いなんて禁煙パンフレットに書かれているが、ニコチンの依存性はずい分低いようだ。薬物依存性よりも習慣的喫煙癖の克服の方が禁煙の大きな課題となっているようだが、それも数ヶ月の辛抱のようだ。それが証拠には禁煙は特に医療の力を借りなくてもちょっとがんばれば自分でも出来てしまう。それに比較するとアルコールの依存性は相当に強いようで医療の力を借りても禁酒できない場合がかなりあるようだ。

本当に医療費を抑制しようとするのなら酒を抑制する必要があるんだろうけどタバコのような専売品は抑制しても業界に与える影響はさほど大きくはないし、JTもそれなりに事業転換を完了したようだからこの際大々的に禁煙キャンペーンを推進できるが、酒の場合はこれを抑制してしまうと様々な業界に与える影響は深刻なのだろう。あまり極端に酒を阻害すると選挙にも影響が出かねないのかもしれない。

もっと極端なことを言えば酒やタバコの害がどうのこうのというよりもクリスマスのイルミネーションで電力を使って地球温暖化に拍車をかけて自分達の首を絞めるよりも、なくても生活に影響のない電飾など一切止めてエネルギーの節約に努める方が将来に向けて意義があるのだろうと思うがいかがなものだろうか。イルミネーションなど飲み屋かサラ金の看板ばかりなので午後10時以降社会の安全と生活に必要のない照明を禁止してしまうとかそういう方法も考えてもいいのではないか。

そうして生活の潤いを無くしてしまうと日々の生活自体が無味乾燥で潤いのないものになってしまうのかもしれないが、地球が悲鳴をあげているのだから真剣に考えた方が良い。そしてこんなことを書いていたらJTが英国のギャラハーというタバコ会社を2兆2千5百億で買収したというニュースをやっていた。他の大手タバコ産業もまだまだタバコのシェアは増加すると踏んでいるようだからアルコールやタバコという嗜好の世界は人間にとって魅力が深いのかもしれないし、またそれだけ我々はストレスの多い生活を送っているのかもしれない。

健康であることは尊いことかもしれないが、世の中の風潮に乗って個人の嗜好について善だの悪だの言うのはどうかと思う。要はルールを守って嗜めば良いことなんだろう。タバコを吸わないことがそんなに偉いことなのかと一言言ってやりたい。もう僕もタバコを吸わないからそう言う権利はあるだろう。だから思い切り言ってやることにした。