リハビリ義歯の出番が増えています。早く美味しく食事が出来るようにしてあげたいのですが... | 隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

歯学博士/長崎大学臨床教授/東北大学非常勤講師
手術用顕微鏡を全ての診療室に導入し、1本1本の歯を大切にします。
歯科衛生士と共に取り組む予防歯科。
裸眼では見えない噛み合わせの調整、痛みが少ない歯ぐき蘇り手術を行っています。

本日の午前中、約2時間かけて、お口の中を大改造したAさん。
数年前に、バスで送迎をしてくれる遠方の歯科医院に行き、1日2日で治療された方だ。
家業がご多忙なので、普通の歯科医院での治療に時間をかけたくなかったらしい。
しかし、その結果...

・下の総入れ歯は、全く使えていない。
・そのため歯茎で食事をしてきたため、顎の骨がかなり痩せている。
・上は特殊な金属が入れられているが骨についてなくて、グラグラしている。
・歯と歯茎の間には物が沢山詰まる状況。
・下の入れ歯を使わずにバランスを取るので、姿勢が悪い。
・年齢よりも老けて見える。
...etc

このように噛めなくて苦労している方でも、これまでも何人も治療してきたので、ゴールが見えている。
ただし、時間も費用もかかる。
治療期間としては約1年と説明させてもらっている。
1年かけて治療して、前と変わらず噛めないようであれば、その時は治療費を全額返却すると伝えている。
自分の仕事に責任を持つためだ。
しっかりとカウンセリングして納得された方に、治療を進めている。

Aさん、今日は上の特殊な金属などを全て除去して、久留米在住の日本を代表する義歯職人である田中昌弘先生に作成して頂いた上下のリハビリ義歯を装着した。
顎の筋肉が落ちているし、根っこだけになっていた歯も抜いていたりするので、最初は噛めない、しゃべりにくいと言うことは重々説明している。
2、3か月以上、リハビリにかかる。
1歩ずつ前進出来るように、しっかりと調整を進めていく。
Aさんが、素敵な笑顔で美味しく食事が出来るようになるまで。

噛み合わせの治療は、本当に奥が深い。
日々もっと上手くなりたいと考え治療を進めている。
昨日よりも少しでも上手くなる今日でありたいと。
そうしていると神様が味方してくれるのか、数年前の自分よりも上手くなっていると思う。
治療のゴールの設定ができ、それに向かって早く結果が出せるようになっているからだ。
努力なしに成功はないと考えている。
これからも奢ることなく精進を続けていく。

今日ブログに登場したAさんの了承が得れれば、3月のNT seminar vol.10に参加して下さる皆様に、治療経過を公開する予定です。
高齢化がどんどん進む日本で、歯科医師をする限り参考になる事があると思うので。

 Complete denture 入れ歯 噛める
 ※この方は別の方の総義歯での治療です。

明日も皆様と共に、良い一日でありますようにニコニコ


NT seminar vol.11
2016年2月1日現在
あと1枠ですので参加希望の院長先生は、
お早めにご連絡下さい。