どうにかして美味しく食事が出来るようにしてあげたいのだけれども... | 隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

歯学博士/長崎大学臨床教授/東北大学非常勤講師
手術用顕微鏡を全ての診療室に導入し、1本1本の歯を大切にします。
歯科衛生士と共に取り組む予防歯科。
裸眼では見えない噛み合わせの調整、痛みが少ない歯ぐき蘇り手術を行っています。

僕には負い目がある。
初孫として、とても可愛がってくれた祖母の義歯を作ってあげる事が出来なかった。
僕が2年遠回りして歯学部に入学した時には、祖母は脳出血で倒れ、半身不随になった。
当初は、まだ話す事が出来たので、

「智也に、入れ歯を作ってもらわな。」

と言っていた。
しかし、歯学部学生の途中で、脳出血を再び起こし、ほとんど植物人間状態になってしまった。
そう、結局、入れ歯を作ってあげられなかった。

だから年配の方で、噛み合わせが悪い入れ歯を使っている人に対しては、時に赤字診療となっても、何とか美味しく食事が出来るようにと作成する事がある。
僕自身、裕福な家庭出身ではないので、開業して10年経っても借金が減るどころか、来年は新規に移転することになり、自転車操業状態。
なぜ赤字になっても?と思われるかもしれないが、それが僕の医療人としての生き方だから仕方がない。
それでも応援してくださる方が沢山いるおかげで、なんとかやれている。

そんな中、先日、80代半ばの方が1年半ぶりに来院された。
上下顎共に、非常に骨吸収が著しく、上顎に関しては、フラビ状態がとても酷く、維持がとても難しい状態。
特に前歯部の歯槽骨は、プニョプニョだった。
それでも、2年前に咬めるようにと一生懸命に作ったら、言われた言葉が、

「先生、これじゃ紅が塗れん。いくら年取ったとしても女だから。」

確かにそうだ。しかし、実は、その数年前にも一度、無理をして作成した。
骨が更に吸収して、もっと難しい状況になると。
そしてその通りになり1年半前、何回も調整をしたが、ダメだった。
歯科医師として打つ手がなかった。敗北だ。
僕には技術がないので、他の先生に頼んでみて下さいと伝えた。
ただ、その時に、1つ条件があります。
僕と僕が信頼する技工士さんが作った、その入れ歯は触らせないで、新しい入れ歯を作ってもらって下さいと。

しかし、先日戻ってきた時は...
見る影がないくらい調整された後だった。
フラビガムも酷くなっていた...
その上、会話に一貫性がない。
昔のことも忘れている。
年齢が年齢なので、加齢の影響もあるが、認知症の可能性もあると考え、ご家族に相談することにした。

ところが...
仕事がご多忙のようで、全く聞く耳を持たないお子さん。
人生長く生きてきたお母様の余生を穏やかに過ごしてもらうのに、何とかしたいと歯科医師として思っていても、家族の協力なしには進める事は出来ない...
無念で仕方がない...


このような経験をする時にいつも思う。
若くて元気なうちに、しっかりとした噛み合わせを作り、日々、美味しく食事をして、楽しい人生を送るべきと。そのためには、定期的に歯科医院に関わることも、とても大切だ。

 長崎 平戸 歯科 入れ歯 インプラント マイクロ
雑誌「プレジデント」より

歯で後悔している人が、
非常に多い現実がありますビックリマーク


 Implant インプラント 長崎 佐世保 平戸
 Complete denture 入れ歯 噛める

大野純一先生、井上和先生に出会い、まだまだ勉強することが沢山あると痛感。
もっと多くの方たちの健康に寄与できるように、一緒に働いてくれるスタッフと共に、日々精進を続けていきます!!


本日も皆様と共に、良い一日でありますようにビックリマーク